40~50代で感じる、仕事のマンネリ化やそれに伴う自己成長感の低下。この「キャリアの停滞」を抱えたまま、仕事人生の後半戦を生きるのか。それとも、「まだ半分もある」仕事人生で、成長できる自分に変わるのか。4700人の会社員を対象に調査分析を行った法政大学大学院政策創造研究科教授・石山恒貴さんとパーソル総合研究所主任研究員・小林祐児さんと考えます。

石山恒貴さん(以下、敬称略) 仕事人生の後半戦を走り切る「自走力」を支える5つの行動特性「PEDAL」(ペダル)。(1)まずやってみる(Proactive)、(2)仕事を意味付ける(Explore)、(3)年下とうまくやっていける(Diversity)、(4)居場所をつくる(Associate)、(5)学びを活かす(Learn)をどう高めていけばいいのか。前回の記事「40代マンネリ仕事から脱出する「情報収集」のすすめ」では、(1)まずやってみる(Proactive)、(2)仕事を意味付ける(Explore)を取り上げました。今回は、(3)年下とうまくやっていける(Diversity)、(4)居場所をつくる(Associate)について考えてみたいと思います。

誰に対しても「さん付け」で呼べる?

小林祐児さん(以下、敬称略) 昨今では若手の早期選抜やポストオフなどにより、「上司が年下」になるケースも増えています。こうした状況下でも、年齢にこだわらず、年下とうまくやっていける(Diversity)かどうかは、40代、50代の活躍に大きく関わっています。部下と上司の年齢逆転が起きた場合、一番に気を付けたいのは、呼称や言葉遣いです。

 みなさんは、後輩に声をかける際、「○○くん」とくん付け、あるいは「○○」と名前を呼び捨てにして呼びかけていませんか。日本企業では、伝統的に同期意識、年次意識が強く、年上には「さん」と呼んで敬語を使い、年下には「くん」付け、あるいは「呼び捨て」で呼ぶなど、「年上か、年下か」によってコミュニケーションスタイルを変える慣習があります。

 たかが呼び方、たかが言葉遣いと思われるかもしれませんが、こうした慣習は無意識に上下関係を感じさせてしまうものです。自分を「○○くん」と呼ぶ相手に対しては、どうしても構えてしまい、フラットな関係を築くのは難しいでしょう。

石山 お勧めしたいのは、周囲の人すべてを年上・年下に関係なく「さん付け」で呼ぶことです。職場内で少し浮いてしまったとしても、自分だけは「さん付け」を貫くと決めるのです。私自身、今では誰に対しても「さん付け」をしています。最初のうちは違和感がありますが、やり始めるとすぐに慣れてきますよ。