40~50代で感じる、仕事のマンネリ化やそれに伴う自己成長感の低下。この「キャリアの停滞」を抱えたまま、仕事人生の後半戦を生きるのか。それとも、「まだ半分もある」仕事人生で、成長できる自分に変わるのか。4700人の会社員を対象に調査分析を行った法政大学大学院政策創造研究科教授・石山恒貴さん、パーソル総合研究所主任研究員・小林祐児さんと一緒に考えます。

石山恒貴さん(以下、敬称略) 長く働き続けてきた40~50代のARIA世代の多くが直面する「キャリアの停滞」。そこから抜け出すためには、この「停滞」を「転機」と認めて正面から向き合い、仕事人生の「仕切り直し」をする必要があります。といっても、いきなり転職や起業を目指しなさいというわけではありません。

 もちろん一度きりの人生ですから、心機一転、新しい一歩を踏み出してみるのも選択の一つ。ですが、40代や50代から、今までのキャリアと全く違うことを一から始めるということが簡単にできるとは限りません。また、「これまで長く続けてきた会社には愛着もあるし、仕事に誇りを持っているので、できれば定年まで勤めたい」という選択肢も十分あり得るでしょう。

 「積み重ねたキャリアを発展させ、やりがいを感じながら長く働き続けたい」。だからこそ、今の組織の中で残りの仕事人生を充実したものにし、いつか会社を辞めた後も活躍できる力を蓄えられるよう、このタイミングで「キャリアの転換」を意識し「仕切り直し」をしておいていただきたいのです。

40代でキャリアの仕切り直しをして、長く働き続けられるように
40代でキャリアの仕切り直しをして、長く働き続けられるように