人と人をつなげる「ハブ行動」ができるか

(4)居場所をつくる(Associate)
 ベテラン社員の強みの一つは、社内にネットワークを持っていることです。しかも、単に知り合いが多いだけでなく、長年の経験から、誰が何を知っているか、というところまで熟知しています。こうした「人が分かる」強みを生かし、「そのことなら、営業企画部のAさんに聞くといいよ。紹介してあげようか」などと、人と人をつなげる「ハブ行動」ができるかどうかが、社内に居場所を保つことにつながります。人と人をつないであげたり、相談に乗ってあげたりしていると、自然に情報が集まるため、それが活躍につながっているようです。

(5)学びを活かす(Learn)
 日本の企業内教育は新卒の新入社員に手厚い一方、中途採用者は重視されない傾向があります。40代、50代になると、集合研修などの教育機会が減る場合もあり、それが「キャリアの停滞」の原因の一つとなっています。そこで、40代以降は、いくつになっても職場や企業内で新たに学ぶ姿勢を持ち続けることが大切です。さらに、40代、50代からは組織内だけでなく、実際に組織を越えた場(ボランティアやプロボノ、地域活動など)に身を置き、慣れない場で新たな仲間とチャレンジングな経験をする。そして、その「越境」経験を振り返ることこそが、最大の学びとなります。

石山 次回からは「自走力」を支えるPEDAL5つの行動特性の高め方についてお伝えしていきます。

取材・文/井上佐保子 イメージ写真/鈴木愛子