自走力の高い人がしている5つの行動特性とは

石山 セルフチェックはいかがでしたか? 当てはまるもの数そのものよりも、それぞれの差に注目してください。自分の中の差に注目し、得意な行動、不得意な行動に気がつくことに意味があります。ここで、「自走力」を支えるPEDAL5つの行動特性とは具体的にどのようなものなのか、解説していきたいと思います。

(1)まずやってみる(Proactive)
 入社後20年以上たったベテラン社員ともなれば、自分なりに、日々の仕事を効率的に進めるやり方を身に付けていると思います。それは、長年の積み重ねでしか得られない貴重な能力であることは確かです。ただ、多くの経験知を蓄積してきた人ほど、「回せる仕事」以外に対して腰が重くなってしまいがちです。40代、50代になると、社内政治を知り尽くしているがゆえに、新しいことに挑戦しようと思っても、すぐに社内の反対勢力の顔が浮かび、「どうせ無理だ」とやらずに諦めてしまうということもあるでしょう。「キャリアの停滞」から抜け出すPEDAL行動の第1の要素は、フットワークを軽く「まずやってみる」、この姿勢を持つことです。

(2)仕事を意味づける(Explore)
 あなたは「この仕事は何のためにやっているのですか」と問われて、すぐに答えられますか? 「給料を稼ぐため」「家族のため」「自分自身の成長のため」「社会貢献のため」……。この問いに正解はありません。ただ、今回の調査で「この仕事の本当の意味は何か」という「仕事の意味づけ」が自分なりにしっかりできているかどうかが、40代、50代での活躍と大きく関係していることが分かりました。では、どのようにして「仕事を意味づける」のか。これについては、次回詳しく述べたいと思います。

(3)年下とうまくやっていける(Diversity)
 昨今では多くの企業で、早期選抜をする流れがあり、同時に役職定年(ポストオフ)を実施している企業もあるため、「上司が年下」になるケースが増えています。そうなると、年下上司、年上部下との軋轢(あつれき)が生まれやすくなります。こうした状況下でも、年齢にこだわらず割り切ってうまくやれるかどうかが、40代、50代での活躍に大きく関わっています。

年下上司、年上部下とも割り切ってうまくやっていけるか
年下上司、年上部下とも割り切ってうまくやっていけるか

小林 ただし、女性は男性に比べて年齢にこだわらない関係をつくるのが得意で、ダイバーシティの抵抗感が薄いようです。実は今回の調査で男女に有意な差が出たのはこの項目だけでした。