2月の第2週、40~50代の働く女性向けWebメディア『日経ARIA』では、森喜朗会長の女性蔑視発言問題に関する記事や、40代からの挑戦をテーマにした特集記事をお届けし、多くの方に読まれました。読み逃した方のために、記事を厳選して週末にお届けします。

◇◆ 今週、最も注目の記事は… ◆◇

 2月12日の夜に飛び込んできたニュースに、編集担当と私は驚きました。「G20サミットでも使われた宴会場『太閤園』 コロナの影響で営業終了 1959年からの歴史に幕」。あれ、これってこの日の朝に日経ARIAの連載「おいしい建築さんぽ」でお届けした記事「太閤園淀川邸 近代大阪の粋を伝える藤田財閥の大邸宅」で詳しく紹介した建物ですよね? どういうこと??

 ニュースによると、新型コロナウイルスの影響で旅行や宴会の需要が減り、藤田観光が「太閤園」の土地や宴会場の売却を決め、営業は2021年6月末までで終了するとこの日発表したそうです。「太閤園の方は原稿チェックのやりとりもすごく丁寧で、『ぜひいつかいらしてくださいね』『落ち着いたら絶対行きます』みたいなやりとりをしていたのですが……。こんなタイミングで何も言えずに対応してくださっていたであろう心中を思うと、複雑です」と編集担当。コロナ禍が飲食・宴会・観光の産業に与えたダメージに、改めて心が痛みました。建物の素晴らしさは不変、ぜひ記事でお確かめください。私も6月末までに機会をつくってぜひ伺いたいと思います。

(日経ARIA編集長 大屋奈緒子)


太閤園淀川邸 近代大阪の粋を伝える藤田財閥の大邸宅


◇◆ 見逃してませんか? 今週の注目記事7 ◆◇

森氏発言受けクラブハウスから署名活動 14万人がNo

話題の音声SNS、Clubhouse(クラブハウス)での熱気にあふれたトークから、一気に14万人を超える署名を集めたという話をご紹介。東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏が謝罪会見を開いた日の夜に、20代の女性3人が中心となり、森氏の処遇の検討や再発防止を求める署名活動をサイト上ですぐに始めました。「森会長個人を攻撃しても仕方ない」と日本政府など4つの組織に対応を求める冷静なスタンスで、短期間に数多くの賛同を集めています。姉妹媒体『日経doors』発の記事です。


ファミマ「慎吾母」騒動から、私たちの20年を総括する

同じ志を持つ人たちの声を集めて世の中に問いかける、という点では、こちらの記事も見逃せません。ファミリーマートの総菜につけられた「お母さん食堂」という名前に、「お母さん=料理という役割の押し付けを助長している」と抗議したのは3人の女子高生でした。彼女たちが使ったのもオンライン署名サイト「Change.org」です。賛同や批判、いろいろな声があるようですが、堂々と声を上げる若い女性たちがまぶしく、頼もしく感じました。


パートから志願 東京の真ん中で45歳からのワイン造り

2月前半にお届けしている、40代から新しく挑戦した女性たちの物語。まったくの未経験でワイン醸造家の道を歩み始めた須合美智子さんが登場します。夫の実家の家業である飲食店を手伝いながら子育てしてきた彼女は、たまたまチャンスがめぐってきたときに、「楽しそう、やってみたい」と思った気持ちに素直に、挑戦への一歩を踏み出しました。彼女が押しかけるように弟子入りした山梨のワイナリー、実はARIAの記事『小倉ヒラク ブドウの丘を歩き、寿司屋でワインを飲む!』に登場していたので、合わせてお読みください。


通訳&医師&NPO設立…足し算人生に「心の壁」はない

女性たちの挑戦の物語、最後に登場したのは、伊藤明子(みつこ)さん。大学在学中に通訳を始め、なんと40歳で医学部を受験。医師になるも、大好きな通訳の仕事も続行。さらに55歳で自らのクリニックと、健康づくりの活動や障害児の療育を行うNPOを同時に設立……。キャリアを積み上げていくすごい方が締めくくってくださいました。実は、特集企画の3番目の記事『NHKアナ→医学生 失敗しても既に1つキャリアがある』に登場した、元NHKアナウンサー島津有理子さんの記事に、背中を間接的に押した人として伊藤さんが登場しています。これは取材陣もインタビューして初めて知ったお話。その偶然も合わせてお楽しみください。


悩みはあなたの見方次第で姿を変える・心の駆け込み寺

今週も、この連載がよく読まれました。「心の駆け込み寺」。ついつい悩んでしまう自分が苦しいときに、思い切って視点を変えてみるという方法を紹介しています。今回紹介するキーワードは、一水四見(いっすいしけん)。悩みは一方向しか見られないと苦しみが増す。見る角度を変えると、物事はまったく違うものに姿を変える、という意味だそうです。心理カウンセラーで僧侶の羽鳥裕明さんの「チャンスはピンチの顔をしてやってくる」という言葉も、今とても響くなあと感じました。


50代男性との再婚 子どもの反対をどう乗り越える?

ARIA世代の婚活のリアルを、仲人でライターの鎌田れいさんが描く人気連載。今回は、再婚に反対する子どもたちの話です。このケースは結局、成婚に至りませんでしたが、前妻との子どもに納得してもらえた別の事例についても紹介しています。今や40代、50代にも婚活アプリは身近な存在。関連記事も紹介します。
『40代からの恋活・婚活 マッチングアプリが今は主戦場』
『婚活に挫折して気づく「欲しかったのは真面目なセフレ」』
『アラフィフ婚活「50歳」の壁 マッチングアプリに疲弊』


コロナ禍で筋肉は2kg減!食後3分の運動で体が変わる

12日金曜から2月の後半特集がスタート。テーマは「その『筋力不足』は危険です」。コロナ禍が長引き、テレワークが常態化しているという人には、ぜひとも読んでいただきたい記事が続々と登場します。まず最初は、しっかりした理論に裏付けられた指導で多くのアスリートから絶大な支持を得ている、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さん。コロナ禍で筋肉量が2~3kgも減っている、と警鐘を鳴らします。今すぐ始めてほしいエクササイズを、中野さん自ら実演。動画でお届けしますので、ぜひ今日から習慣にしてください。