2月の始まりの週、40~50代の働く女性向けWebメディア『日経ARIA』では、40代からの新たな挑戦をテーマにした特集記事などをお届けし、多くの方に読まれました。読み逃した方のために、記事を厳選して週末にお届けします。

◇◆ 今週、最も注目の記事は… ◆◇

 先日、強引に時間を作って石岡瑛子さんの回顧展「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」を見に行きました(東京都現代美術館で2月14日まで開催中)。一言で感想をいうと、ものすごく良かったです。常識にとらわれず時代を切り開き、仕事に妥協を許さない石岡さん。その姿勢が、作品から、残された言葉から、ゲラに書き込まれた修正指示から、ビシビシと伝わってきます。もう一つARIA読者にお伝えしたいのは、広告など主に紙に表現するデザイナー、アートディレクターとして第一線で活躍していた彼女が、米国へ活動拠点を移し、その後数々の受賞に輝く舞台衣装の世界に挑戦したのは50歳頃だということです。

 新しい一歩を踏み出すのは、若い人だけに与えられた特権ではない――。そんなメッセージを、2月からスタートした特集記事「40代からの人生を変えた挑戦」でもお伝えしています。今週は女優のどんぐりさんに始まり、3人の挑戦の軌跡をお届けしました。取材先のアイデアを出し合う段階から大いに盛り上がったこの特集、取材先と編集部の熱気を記事からお感じください。

(日経ARIA編集長 大屋奈緒子)


「信長なら死んでる」50歳で事務職→吉本へ どんぐり


◇◆ 見逃してませんか? 今週の注目記事7 ◆◇

ママチャリで毎日20キロ送迎!50歳でプロ競輪選手に

どんぐりさんに続いて挑戦者としてご紹介したのは、「鉄人」と呼ぶのがぴったりな高松美代子さん。趣味でアマチュアの大会に参加していた自転車競技に飽きたらず、2012年に復活した女性選手による競輪「ガールズケイリン」の選手1期生として、2011年、日本競輪学校(当時)へ入学したのは49歳のとき。10カ月間の寮生活を送り、50歳でプロ競輪選手としてデビューします。競輪選手を目指した道を、介護、子育てを終えて「遅れてきたおとなの青春」と語ってくれた言葉に、この時代の女性ならではの半生を感じました。


NHKアナ→医学生 失敗しても既に1つキャリアがある

元NHKアナウンサーの島津有理子さんの挑戦も大胆です。ある本との出合いをきっかけに、心の奥にあった医師になりたいという気持ちが膨らみ、仕事を終えて子どもたちを寝かしつけたあと、夜の10時から2時まで勉強漬けの毎日を1カ月半続けます。持ち前の学力と集中力を発揮して、医学部の編入試験に見事合格した島津さん、実は勤務先にも家族にさえも内緒の受験でした。「『落ちたら仕事を続ければいいし』というプレッシャーゼロの挑戦」という考え方が、目からうろこでした。


クリス-ウェブ 佳子 今は好きなだけSNSを使わせる

10代のお子さんをお持ちのママARIAにとって、子どもにスマホやSNSをどう使わせるかというのは大きな悩みではないでしょうか。私の友人知人にも、子どもがスマホのとりこになってしまうので、家の中でWi-Fiを使わせないためにルーターの電源を引き抜くといったバトルを繰り広げているママたちがいます。クリス-ウェブ 佳子さんもコロナ禍以前は、時間を決めて娘たちに使わせていたそうですが、現在は自由に使わせているのだそう。その理由とは……?


「ぼけますから…」信友監督 100歳の父と挑戦の日々

認知症の母と、その母を支える高齢の父の姿を描いた映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』に初めて出合ったのは2018年の10月、試写会の場でした。翌2019年の2月に日経ARIAが創刊、直後にインタビューをお願いして特集に登場していただきました。映画は大きな反響を呼び、監督は講演会で全国を飛び回り、海外でも高く評価されます。ところがその後、コロナ禍を経て母が亡くなります。初盆に帰省できないもどかしさ、一人残された父の心配、自分の仕事がなくなる危機……と信友監督を試練が襲います。節目節目に伺ったお話をまとめました。監督と父の新しい挑戦となるオンラインイベント配信もご紹介、微力ながら応援しています。


【マンガ】テレワークで見えた!夫のすごい面、残念な面

「ARIAって、離婚とか不倫とかの記事が多いよねー」と指摘されることもしばしば。そこで、今月からこの世代の夫婦の「あるある」な日常、くすっと笑えるシーンを描く、ARIAでは初となるコミックエッセイの連載を始めました! スマホでご覧になる方が圧倒的に多いので、4コママンガのように縦一列で展開して、この世代にも見やすい「優しい設計」を心がけました(笑)。ストーリーはすべて、実話をもとにアレンジしており、リアルな今の夫婦を描いています。ご感想、マンガのネタとなるエピソードのご紹介など、編集部までどしどしお寄せ下さい。


「天命」はあなたの中にある 気づくためには何が必要?

こちらも今年始まった新連載の、2回目。能楽師でありながら、それ以外の顔をたくさん持つ安田登さんに、どうしてそんなにいろいろ挑戦できるのか、サードプレイスを見つけたいともがく人に向けて、心がまえについて教えてもらう内容です。今回も、含蓄ある言葉が次々に出てきます。「それぞれ得意なやり方で自分を磨くことが正解」「持って生まれた天命が、大人になるにつれてゴミで隠れてしまっている」「やってもやってもどうもうまくいかない。実は、いまこそ内面に変化が起きているんだと自分に言い聞かせる」などなど。すとんとハラ落ちする心地よさを、味わってください。


心理的安全性 管理職の「言わせない」雰囲気から変える

1月後半特集の延長戦として、最後の1記事を今週お届けしました。ARIA読者に参考となるケースとして、マイナビ紹介事業本部キャリア開発部で部長を務める黒澤康子さんがインタビューに答えてくれています。「健全な衝突」のある企業から、現在の会社に転職してきたという黒澤さんは、協調性の高い職場ならではの問題に直面します。「押しの強い自分」と意思疎通が難しいのを、どう解決していくか。心理的安全性をチームに定着させるまでの具体的な話がとても参考になります。