年末年始ムードもすっかり抜けた1月中旬、40~50代の働く女性向けWebメディア『日経ARIA』では、感情マネジメントをテーマにした特集記事や人気連載をお届けし、多くの方に読まれました。読み逃した方のために、記事を厳選して週末にお届けします。

◇◆ 今週、最も注目の記事は… ◆◇

 先日、同世代の知人が「自分は一生借家でいいと思っているんだけど、妻が『あなたが先に死んだら、私が不安を抱えたまま生きることになるでしょ』と迫られ、今さら初めてのマンション購入を検討している」と話してくれました。バリバリと共働きで仕事も家事も平等という印象の夫婦なので、意外でした。やっぱり大黒柱=男、という思いが双方にあるのかもしれません。

 コラムニストの河崎環さんも掲題の記事で指摘していますが、女性たちは長い時間をかけて「女らしく」という締め付けに疑問を呈し、考え抜き、徐々に自由を獲得してきました。むしろ今は「男らしく」「男だろ!」という「呪い」に苦しんでいるのは男性たち。素直に弱音を吐いたり、逃げたり、負けを認めたりすれば、女性たちは「うんうん、大変だったね」と理解してくれるかもしれないな、と思いました。そもそも10代、20代など若い世代は、そんな呪いとは無縁かもしれませんけれど。

(日経ARIA編集長 大屋奈緒子)


「男だろ!」と励まされ続ける男たち 呪いは解けるか


◇◆ 見逃してませんか? 今週の注目記事7 ◆◇

在宅勤務で働く女性が鬱になりやすくなる 見極めと対策

テレワークができることを感謝・歓迎していた友人たちから、「テレワークもここまで長くなると、ふとしたときに気持ちが沈んで戻らない」「むしろオフィスに行きたい」という声を聞くようになりました。眠れない、好きな仕事のはずなのにつらい、仕事が全然はかどらない……。これらは、鬱のサインかもしれないそうです。鬱の症状は更年期症状とも似ているそう。精神科医が勧めるセルフケアなどの対処法を紹介しています。


たんぽぽ・川村エミコ 書くことでモヤモヤを手放せた

バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」では、女芸人のメンバーでいろいろなことに挑戦するものの、どちらかというと不器用で毎回のように苦労する川村エミコさん。はらはらしながら応援していました。そんな彼女の初エッセイ『わたしもかわいく生まれたかったな』には、周囲の人から心ない言葉をかけられたときに、かわしてやりすごしてきた彼女の対処法がつづられています。この本の誕生には、作家の石田衣良さんの一言と、チャンスを逃さない川村さんの勇気がありました。


「音楽家の手を診る医師」 夢を支えた辻井伸行のピアノ

各界で活躍するクラシック愛好家が登場して、忘れられない一曲と人生について語ってくれる連載「人生はいつもクラシック」。今回は、音楽家の手を見る整形外科医、金塚彩さんです。スポーツの分野を専門にする整形外科医の話は、プロ野球選手やプロテニス選手が手術を受けて……などと耳にしますが、音楽家の手を専門にする医師もいるのですね。日本にはまだ少なく、海外へ行くしかないと決めた金塚さんは、希望を捨てずにあらゆる奨学金に応募してチャンスをつかみ、ロンドンへの道を切り開きました。


妹たちへ 吉田都 闘いの日々から新たなステージへ

世界的バレリーナとして活躍、現在は芸術監督として新国立劇場バレエ団を率いる吉田都さんが、半生を振り返るインタビューの第3回です。35歳、英国でバレエダンサーとして第一線で活躍していた吉田さんは、ある苦い経験で、若い頃と同じ方法で体と付き合っていてはダメだということを学びます。アラフォーで公私共に転換期を迎え、生活と活動の拠点を英国から日本に移し始めるまでのお話を紹介します。


怒りすぎ、イライラが止まらない…「怒りの衝動」の正体

仕事でもプライベートでも、イラッとしてしまうことは誰にでもあるでしょう。特に新型コロナ禍でみんなにストレスがたまっている今、ふとしたときに怒りの衝動を抑えられなくなることもあるはず。実は、「~するべき」という考えが怒りの正体で、怒りは防衛本能の一つなのだそう。なるほど、そう言われると、自分の怒りも、他者から向けられる怒りも、出どころが分かって振り回されにくくなりそうです。


小室淑恵 長時間労働のラスボス・霞が関を今こそ変える

霞が関の公務員が過酷な長時間労働に直面している実態を、実名や匿名で伝える報道をテレビで見て驚きました。長時間労働を減らす試みが進んできた民間に比べると、公務員の残業時間の長さは異常といえるほどです。公務員が長時間労働を強いられる原因、その実態、どうすればそれを変えられるかについて、変革を起こそうと取り組んできたワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんが鋭く指摘します。


成功するチームに心理的安全性 リーダーの柔軟性がカギ

「心理的安全性」という言葉、耳にしたことはありますか? 米Googleが、社内で成果を上げているチームの特性を知るために立ち上げたプロジェクトでその有効性が発見され、一気にビジネス界で注目されました。「このチームでは、新しいことに挑戦するリスクをとっても大丈夫」とメンバーが思えることで、チームのパフォーマンスはとても上がる。その効果は、個々の能力が優れたメンバーをえりすぐるよりも大きいようです。チームを率いるリーダーは必見の記事です。