蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40~50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、きょうはどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は「死別した夫に対して後悔が拭えない」という57歳女性のお悩みに、新潮社で出版部部長を務め、情報番組のコメンテーターとしても活躍する中瀬ゆかりさんがお答えします。


回答者:中瀬ゆかりさん(編集者・コメンテーター)


三回忌を過ぎて恋愛宣言

 ゆきんこさんは、今はまだ悲しみのただ中にいらっしゃるのだと思います。私もトウチャン(事実婚だった作家の白川道氏)を見送った後の1年間は、本当につらくて悲しみのどん底から抜け出すことができませんでした。でも安心してください。三回忌を過ぎたあたりで確実に何かが変わり始めます。

 5年前の春、私が愛してやまなかったろくでなし、18年間連れ添った「魂の双子」のトウチャンの死は突然やってきたんです。お互いが、お互いのために生きているような関係で、離れるなんて考えられなかった。彼は前日の夜、元気に徹夜マージャンに行って朝帰ってきて、お気に入りのソファの上でいきなり息を引き取りました。大動脈瘤(りゅう)破裂でした。

 私もトウチャンには散々ひどいことを言ってきました。バクチ打ちですぐ「金貸して」って言ってくるから、「金なんてないわ! 死ね、クソジジイ!」って、何度言ったことか(笑)。でも本当に大好きでした。

 見送った直後は、ぼうぜんとし、ただただ泣きぬれる日々でしたが、周りの人たちの言葉に助けられ、三回忌が終わった頃には「次の恋愛をするぞ!」と公言できるほどになったのです。

 そこからは心が硬くなってしまわないように、恋愛映画を見たり、すてきな俳優さんに胸をときめかせたり、恋愛の素振りを始めました。

 そして3年前、8歳年下の男性と出会い、今も幸せな日々を送っています。あのときの悲しみを自分なりに消化できたと自負していて、そんな私の経験を多くの人に語るのは、使命だと感じられるまでになりました。