蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40-50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、今日はどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は、離れて住む高齢の母親と気持ちが通じないと悩む女性に、看護師僧侶の玉置妙憂さんが回答してくれます。

「子どもの世話になりたくない」という79歳の母。気持ちが通じません。

回答者:玉置妙憂さん(看護師僧侶)


親孝行は誰のためにやっているのか

 はなこさん、きっとお母さんのためにいろいろ考えていらっしゃるのでしょうね。

 でもね。お母さんの人生を邪魔しないようにしましょう。はなこさんにいちばんお伝えしたいのは、そのことです。

 どうしてお母さんの態度にイライラするのか。それは、もしかするとはなこさんご自身が「お母さんに自分の思い通りに動いてほしい」と思っていて、そうならないからなのかもしれません。

 お母さんにはお母さんのペースがあり、お母さんなりのお考えがあり、生き方があります。それを前提に考えれば、「思い通りにならない」のは当然のことです。

 はなこさん、お母さんのためと思ってやっていらっしゃることが、実はご自分のためだったかも……なんてことがないでしょうか。ちょっと厳しい言い方かもしれないけれど、自分の安心のために孝行娘でいたい、親孝行したという事実を残しておきたい。そういう一面があるかもしれないということも考えてみてほしいのです。

 「親孝行ができる残り時間」とおっしゃいますが、お母さんはまだおひとりで大丈夫とお考えのようです。お母さんがひとりで楽しめる残り時間、と考えてみてください。