蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40~50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、きょうはどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は「出産を諦めてから心にぽっかり穴が開いてしまった」という46歳女性のお悩みに、タレントでドラァグクイーンのナジャ・グランディーバさんがお答えします。


回答者:ナジャ・グランディーバさん(タレント・ドラァグクイーン)


結婚前の「彼氏・彼女」の関係性に戻ってみては

 欲しかった子どもができなかったということは、ホンマにつらいことだと思うけど、諦めて未来に目を向けるしかないと思うねん。「もっと早く妊活をすればよかった」と、過去を悔やんでばかりいても苦しいし、それ以上前には進めないからね。

 子どもがいない分、旦那さんと2人で楽しく生きていく道を探ったほうがいいと思うけど、どうかなぁ。もうね、夫婦じゃなくて、付き合っていた頃の「彼氏・彼女」の関係性に戻ったらいいのよ。ゆずさんは、旦那さんと仲がいいわけでしょ? それってすごいことじゃない。

 子どもがいるとどうしても「ママ・パパ」という関係性になってしまって、お互いのことを異性として見られなくなったり、育児や家事のことで相手に不満を抱えたりするケースも多いと聞くからさ。そういう人たちからすると「旦那さんといつまでもラブラブでいいなぁ」って、逆にうらやましがられるかもしれへんよ。2人で過ごす時間を大事にしながら、人生を謳歌していく生き方もすてきだと思う。

 でも、ゆずさんの旦那さんへの「申し訳ない」という気持ち、分からないでもないのよ。私、ゲイだから、自分の血を分けた子どもを授かることは難しいわけ。だから、親に対して「孫の顔を見せてあげられなくてごめんね」っていう気持ちは、少なからずある……。

 幸い、妹が子どもを産んで孫の顔見せてくれたからよかったけど、やっぱり妹は嫁いだ身やからね。曲がりなりにも自分は「長男」として生まれたから、ここで家系が途絶えてしまうことへの申し訳なさとか、葛藤ってあるよ。

 私の話になっちゃうけど……親に自分がゲイであることをずっと言えなくてね。このまま一生カミングアウトしなくてもいいかなって思っていたぐらいなのよ。地元の兵庫を出て大阪のゲイバーでひっそり働いていたんだけど、そこからオネエタレントとしてちょこちょこテレビに出るようになって。

 そうしたら、ある日突然、母親から電話がかかってきて、「テレビに出てたの、あんたと違う?」と。もうドキッとして、思わずこう答えてしまったわ。