蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40~50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、今日はどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は、部下の数が増えてあたふたする女性がご登場。答えてくれたのは、日経WOMAN編集長を卒業後も、働く女性を応援する活動を続けるジャーナリストの麓幸子さんです。


回答者:麓 幸子さん(作家・ジャーナリスト・元日経WOMAN編集長)


部下が何倍に増えようと平気。その理由とは?

 はやぶささんのお悩みを見て、「これは、私と全く同じだ!」と思わずポンと膝を打ちました。昇進後の部下が30人というところもニアリーイコール、ほぼ同じです。

 私の場合は、日経WOMAN編集長から一つ上の職位の局長になったときがそれに当たります。前にも書いたように、日経WOMAN編集長のときは、ほぼ全員が女性(しかも優秀な記者ばかり!)で、組織マネジメントという点では、随分ラクをさせてもらいました。しかし、その後に期せずして局長に昇進し、日経WOMANを含む4つの媒体の発行人になったのです。

 部下の数は3倍になり、その中には話したことがない人もいました。また、日経WOMANのことは創刊から関わっていたのでよく分かっているという自負がありましたが、他の媒体はそうではありません。専門性の高い媒体もあり、門外漢の私は、会話によく出る専門用語すらちんぷんかんぷんということもありました。 

 昇進当初は、「まずいな、務まるのか、自分……」とビビりましたが、でも、じきに分かってきたのです。組織が大きくなったからといって全員をマネジメントしようと気負わなくていいということを。