蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40~50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、きょうはどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は「真面目だけどチャレンジしない部下」を持つ管理職女性に、オリンピック3大会メダリストの内村航平選手を育てた母で体操競技指導者の内村周子さんがお答えします。


回答者:内村周子さん(体操競技指導者)


 体操の指導をするときは、「失敗してもいいよ」とは絶対に言わないですね。本当に失敗したら死んでしまいますから、失敗する前に見抜いて防がないといけません。

 私は体操を指導する立場でもありますし、一緒に働く人たちの協力を得て会社を運営していく立場でもあります。仕事なら命に関わる失敗はそうそうないでしょうし、「これぐらいの失敗は私も昔、やったから気を付けようね」で済みますよね。でも私はやっぱり、仕事であっても「失敗してもいいよ」とは言いません。

 いくら上司が言葉で言ったところで、実際、自発的な挑戦なんてそうそうできないものです。特に今の若い人は、小さい頃からやさしくやさしく育てられてきている人が多いんです。挑戦的思考とかチャレンジを求めるほうが難しいのではないでしょうか。

 上に立つ管理者としては、ちょっと諦めが必要だと思いますよ。「今はみんな、こうなんだ」と思うところが出発点。自分が期待する反応ばかりを相手に求めたり、焦ったりすべきではないということです。