蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40~50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、きょうはどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は、「認知症の母の介護がつらい」という女性のお悩みに、認知症の母を10年以上介護してきた綾戸智恵さんがお答えします。


回答者:綾戸智恵さん(ジャズシンガー)


ええも悪いもあるのが、生きるということ

 まいど! 綾戸智恵です。読者さんのお悩みを一緒に考えてみたいと思います。と、その前にひとつ前置きさせてください。

 今回、私の性格をよく知っている息子から「お母さんはちょっと人と違うからね。人の悩みをもうちょっと深刻に考えてね」って言われました。

 私ね、そもそも「悩み」って言葉が好きじゃないんですよ。だって生きていれば、暑い日も寒い日もあるし、損する日も得する日もある。ええも悪いもいっしょくたなんですよ。だから「悩むようなこと」があるのは、当たり前。それが生きるっていうことや。

 私がそもそもそういう考えだからか息子は、「お母さんの回答は優しくない」って言うんです。だからちょっとそういう点を考慮して聞いてください。

 じゃあ、お悩みに答えまひょ。ああ、「もの盗られ妄想」ね、うちもありました。「お母さんの暴言に疲れた」、うんうん、それはあなたがちゃーんとお母さんの言葉を聞いてあげているからですね。