蓋を開けてみなきゃ、人にはどんな悩みがあるのか分からない。笑顔でステキなあのARIAさんも、40~50年も生きてりゃ悩みの1つや2つありますよね。さて、きょうはどんなお悩みが出てくるのでしょうか――。今回は、「ネガティブなニュースを聞くのがつらい」という女性のお悩みに、HSPをはじめ敏感気質から生きづらさを感じている多くの人たちの診療にあたってきた、精神科医の長沼睦雄さんがお答えします。


回答者:長沼睦雄さん(十勝むつみのクリニック院長)


ネガティブな情報を無視できない性質

 不幸なニュースや事件、災害などのトラブルを見聞きするのがつらいというのは、その時のネガティブな情報が過去に経験したネガティブな情報とリンクすることでストレス反応が起きている状態だと思われます。そこがリンクすると、交感神経系や情動神経系が過剰反応して不快感や疲労感をもたらしてしまうのです。サクラ子さんは、人に共感したり同調したりする力が強く、ネガティブな情報に弱いのではないでしょうか。「人の気持ちに気がつきすぎて疲れる HSP専門医が助言」でお答えしたときにお悩みだった方と同様、このような繊細さや過敏さを持つ方はHSPの可能性も考えられます。

 特にここ1年はコロナウイルス関連の不確かな情報に多くの人が嫌な思いをしたと思います。それでも多くの人が聞き流せる情報にどうしても反応してしまうのが、HSPのような敏感すぎる自律神経系を持つ人たちなのです。