東京・恵比寿の地域密着型WEBメディア「恵比寿新聞」編集長の髙橋ケンジさんの人生は、いきあたりばったりで、破天荒、そして即興的。宿なし・居候を繰り返す極貧DJ時代に終わりを告げ、好きな子のためにデザイン会社に潜り込みます。と、思いきや初日で「経験者ではない」ということがバレてしまいます。しかし、その後、そこで月給200万円を稼ぐまで活躍するのでした。

WEBデザイン会社でWEB広告の知見を得る

 経験者と偽って働き出したWEBデザイン会社での初日、初めて受けた指示であっさり未経験だとバレてしまった。社長に呼び出されて「なんで嘘をついたんだ?」と聞かれて、正直に「3歳上の大好きな子から、『かい性がないと付き合えない、友達のままでいよう』と言われて頭にきて、求人誌の中で一番時給が高いところで働いてやろう、と思って見つけたのがココでした」と答えた。

 当然クビだと思ったら、「じゃあ、ほかの仕事をやってみる?」と。「え!?」と戸惑いながらも、即「はい!」と答えて、「マッチングサイト」のはしりのような携帯サイトのサービスを運営することとなった。

「本当に懐の深い社長でした」
「本当に懐の深い社長でした」

 25歳にして初めて、毎朝決まった時間に出社して言われたことをやる、という“正しい社会人”になって、“常識の壁”につまずくこともあったが、いいアイデアを出せば採用されて具現化される面白さを知った。携帯サイトブームが下火になると、今度はWEB広告の担当になって、「お前が好きなサイトにメールして、バナー広告を入れさせてもらえ」という指示通りに新規開拓にいそしんだ。

 今でこそ広告のメインストリームはWEB広告だが、当時は全く普及しておらず、サイトの管理人にメールすると、「えっ、小さなバナー広告を入れるだけで月5000円ももらえるんですか!」と驚かれた。その驚きを契約に結び付ける営業を地道に続けたら、結構な契約数になり、広告を出したい会社からたくさんオファーがくるようになった。