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オリンピアンの栄光と挫折

女子バレー監督辞め、東大で頭と心を鍛え直した中田久美

(上)57歳で東大EMPへ。グループで白熱議論した「中田久美を解き放つ」、そして新たな一歩を踏み出せた


オリンピックというひのき舞台で輝いたスポーツ界のヒロインたちの「その後」は、意外に知られていません。競技者人生がカセットテープのA面だとすれば、引退後の人生はB面。私たちの記憶に残るオリンピアンたちの栄光と挫折に迫る連載、今回は番外編をお届けします。東京五輪を終え、全日本女子バレーボールの監督を退任した中田久美さんの学び直しに、ジャーナリストの吉井妙子さんが迫ります。

(上)女子バレー監督辞め、東大で頭と心を鍛え直した ←今回はココ
(下)東京五輪後、東大に通い週8冊の専門書に挑んだ

東大EMPの修了式で、答辞を読んだ

―― 東京大学が次世代のリーダーを養成するために肝いりで開講した「東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム」(東大EMP)を2022年9月、首席で修了したそうですね。

中田久美さん(以下、中田) いや、修了生を代表して答辞を仰せつかっただけで、首席ではありません。そもそもこの講座は、受講生の成績をランキングするシステムはありませんし、簡単に言うなら未知の事象に対する課題の立て方を学ぶ講座。なので、同期の受講生や先生方との議論のプロセスを評価していただいたのかもしれません。

 頭がパンクしそうな6カ月間が終了し、ついにやり切ったと解放感に浸っていたとき、東大EMPの執行部から「26期を代表して答辞をお願いします」と。恐れ多いと固辞していたのですが、「執行部の先生方の満場一致で決まったので逃げられません」と言われ、引き受けるしかなかった。でも、答辞を考えるにあたって、東大の持つ学術資源の豊富さに改めて気づかされ、受講して良かったとしみじみ思いましたね。

中田久美
中田久美
なかだ・くみ/1965年、東京都生まれ。13歳からバレーを始め、当時史上最年少の15歳で全日本に選出された。ロサンゼルス、ソウル、バルセロナ五輪に出場後、引退。2008年イタリアプロリーグセリエAに所属するチームのコーチに就任。日本人女性初の海外バレーボールチームの指導者に。11年に久光製薬スプリングスのコーチ、翌年には監督に就任。女子チームで初となる3冠を達成。17年から全日本女子バレーボールの監督を務め、21年に退任

―― そもそもなぜ東大EMPを受講しようと思ったのですか。

中田 実は18年10月にも入学しているんです。その時は時間的に監督と学業との両立が難しくなり、休学を決断しました。でも、東京五輪で私が代表監督を務めた女子バレーは1次ラウンドで敗退。私が想定していた結果とは大きくかけ離れたものだったので、心が千々に乱れてしまいました。東京五輪での事実があまりにも大きすぎ、なかなか現実を冷静に分析できずにいたときに、東大EMPでもう一度、頭と心を鍛え直せないかと考えました。

 そこで創設者の1人でもある講師の横山禎徳先生に相談したところ、22年4月から開講する26期への再入学を勧められ、再度面接を受け、再受講の許可をいただきました。

 18年に受講したときは20期。4年たっていたのですが、講座内容が大きく変わっていてびっくり。東大EMPはその期が終わるたびに問題点などを洗い出し、毎回ブラッシュアップし続けているのだそうです。かなり洗練された講座になっていました。

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