今年40歳を迎えたばかりのモデル・鈴木六夏さん。2016年に再婚。2017年には女の子も誕生し、ステップファミリーとして新たな家庭を構築中。今回は、約10年間奮闘したシングルマザー時代の軌跡を振り返ります。「シングルマザーをやってきてよかった」鈴木さんがそう思う理由とは?

専業主婦のままシングルマザーに

 シングルマザー歴約10年。紆余曲折(うよきょくせつ)ありました。

 若いときに結婚して息子を産んで、すぐにシングルマザーに。当時は専業主婦でした。収入はなく、まだ20代半ばで、キャリアと呼べるものも何もありませんでした。モデルの仕事は、10代の頃にちょこっとやっていただけ。

 「何もない状態でよくシングルマザーになる決意をしたね」と驚かれるのですが、ぐずぐずと消化できない悩みや思いを抱えて生きていくよりも、責任を持って自分の足で一歩踏み出したいと思ったんです。お金も職もなかったけれど、「きっとなんとかなる!」と信じて進みました。シングルマザーとして頑張っていた周りの女性たちの姿も、大きな励みになったのを覚えています。

 理由はあれど、離婚することは、息子から「父親との暮らし」をなくしてしまうこと。その選択をしたのは私。そう決めた以上は「自分一人で育て上げた」と言えるまで頑張ろうと、強く決意しました。

 まずは10代の頃お世話になったモデル事務所に連絡して、どんなに小さな仕事でも、なんでもやりました。

「息子を自分一人で育て上げたと言えるまで頑張ろうと意気込んでいました」
「息子を自分一人で育て上げたと言えるまで頑張ろうと意気込んでいました」

 自分で育てていくと決めたからには、「まずはベースとなる生活面で自立しよう!」と考え、実家に出戻りしたのは一瞬のこと。仕事を始めてすぐ、ワンルームのアパートを借りて息子と2人での生活を始めました。収入の少ないシングルマザーに貸してくれるアパートはかなり限られていましたが、なんとか見つけることができました。

 収入がある程度安定してきてからは、自分を奮い立たせるために、意図的に家賃の高い物件に引っ越しました。「この家賃に見合う仕事をする」ということを、原動力にしていたんです。