「慎吾ママ」を世に送り出し、数々の人気番組を手がけてきた放送作家・たむらようこさん。20年前に従業員が女性だけの放送作家オフィスを設立して、男社会のテレビ業界に一石を投じ続けてきたたむらさんが、テレビではたらく女たちのリアルをありのままにお伝えします。

 あなたは下の毛がツルツルになったことがあるだろうか? 私は、ある。ブラジリアンワックス(アンダーヘアの脱毛)の話をしているわけではない。なんと放射線治療の副作用だ。

 2009年、私は子宮頸(けい)がんになった。病気が判明したときには、がんの大きさがすでに7.2cm。手術はしないほうがいい、とのことで、抗がん剤と放射線での治療を受けることになった。お節介な友人が調べてくれたデータによると、私と同じステージの5年生存率は約20%。当時、息子は1歳5カ月。とにかく治療を開始した。

 病院からはすべての治療と、その副作用について、こと細かに説明があった。私が使った抗がん剤では髪の毛は抜けないこと。放射線の副作用で新たながんが生まれる可能性もあること。医師の説明に加え、インターネットでも検索し、よく調べて治療に臨んだつもりだった。しかし唯一の誤算が、件の「ツルツル事件」だ。

 医師からの説明はなかった。ネットを検索しても、どこにも載っていなかった。しかし、ある日、トイレでふと見ると! ない! 下の毛がない! 1本もない!!!

私が生きて活動していることが、誰かの励みになれば

 こんにちは。放送作家のたむらようこです。コラム「テレビではたらく女たち」、今回は「働き盛りで、がんになったら?」という体験談をお伝えしたい。なぜなら、かつて自分ががんだと分かったとき、一日中、必死で検索したのは、「自分と同じステージのがんを克服して、生きている人」だったから。

 「私が生きて活動していることが、誰かの励みになればうれしい!」「元気な人も、もしもに備えて体験談の一つも読んでおくと役に立つかも」という完全なるお節介心からつづる。ちなみに私の体からがんが消えてから、再発せずに10年以上経過している。

がん完治のお祝い会を、会社のスタッフに開いてもらったときの様子。写真中央で黄色い服の少年(息子。当時、小学1年生)の肩に手を置いているのが筆者
がん完治のお祝い会を、会社のスタッフに開いてもらったときの様子。写真中央で黄色い服の少年(息子。当時、小学1年生)の肩に手を置いているのが筆者