「慎吾ママ」を世に送り出し、数々の人気番組を手がけてきた放送作家・たむらようこさん。20年前に従業員が女性だけの放送作家オフィスを設立して、男社会のテレビ業界に一石を投じ続けてきたたむらさんが、テレビではたらく女たちのリアルをありのままにお伝えします。

 もしも、こっぴどくフラれた元彼から数年後に「飲みに行かない?」と誘われたら、あなたならどうするだろうか。我が社の後輩・ふーみんに、そんな状況が訪れた。

 「また付き合うことになったら、どうしよう。いやいや、せっかく苦しかった日々を乗り越えて、あいつのことを忘れたところなのに」「でも、私をフったことが間違いだったと、彼もようやく気付いたのかも……」「いや~、私あんなに傷ついたんだよ?」「ちょっと待て。飲みに行こうって言われているだけなんだし、話くらい聞いてやってもいいな」「でもでも、もしお酒を飲んで間違ってまた、そういう関係になってしまったらどうする?」

 考えに考え抜いた彼女は意を決し、タンスの奥から、家中で一番ボロボロのパンツと、ヨレヨレのブラジャーを探し出して装着した。もちろん上下の模様などバラバラだ。 これぞ「逆勝負下着」! どんなにいい雰囲気になったとしても、決して服を脱ぐことができない鉄壁の守りである。

恋人を夜の東京タワーの下で4時間待ち続け…

 こんにちは、たむらようこです。コラム「テレビではたらく女たち」、今回は、我が社ベイビー・プラネット自慢の後輩・ふーみんの伝説を紹介したい。

 ふーみんは、仕事での「超」が付くほどの優秀さとは裏腹に、若かりし頃は、待ち合わせにやって来ない恋人を夜の東京タワーの下で4時間も待ち続け、その間、相手に留守電を100回以上入れたという、真っすぐな不器用ぶり! 不器用なままアラフォーの大人になり、すべての不器用さんを幸せにするコンテンツを生み出す彼女は、私が会社のバトンを渡したい後輩ナンバーワンである。

我が社の後輩・ふーみん(写真左)は、不器用なままアラフォーの大人になり、すべての不器用さんを幸せにするコンテンツを生み出している。写真右は筆者
我が社の後輩・ふーみん(写真左)は、不器用なままアラフォーの大人になり、すべての不器用さんを幸せにするコンテンツを生み出している。写真右は筆者