「慎吾ママ」を世に送り出し、数々の人気番組を手がけてきた放送作家・たむらようこさん。20年前に従業員が女性だけの放送作家オフィスを設立して、男社会のテレビ業界に一石を投じ続けてきたたむらさんが、テレビではたらく女たちのリアルをありのままにお伝えします。

 「大事なのは能力ではなく女性かどうか」「女は世の中のことなんか考えられない。自分にメリットのあることしかやらんよ」――ある朝の情報番組で女性タレントが発した内容について数々のコメントがネットで寄せられた。私はそれを見て、思わず卒倒しそうになった。さすが、ジェンダー・ギャップ指数が先進国中、最下位の我が国JAPANである!

 こんにちは、たむらようこです。コラム「テレビではたらく女たち」、今回は元NHKアナウンサー神田愛花さんについて。彼女が先日、TBSの情報番組「グッとラック!」で、NHKの女性管理職を増やす取り組みについて批判的にコメントしたので、なぜか私がここで反論する。

 自分はNHKの人間でもないので、正直言って余計なお世話だし、なんならNHKにとっても迷惑かもしれない。それでもこれはNHKに限らず、日本社会全体に当てはまる話だ。勇気を持って管理職を引き受けた女性たちへの侮辱であり、また、迷った揚げ句、管理職になることを断らざるを得なかった女性たちへの侮辱であり、これから管理職になるかもしれない女性たちの足を引っ張る発言だと感じた。

NHKの女性管理職を増やす取り組みへの批判的なコメントに対して、なぜか私がここで反論する
NHKの女性管理職を増やす取り組みへの批判的なコメントに対して、なぜか私がここで反論する

 なお、先に断っておくと神田愛花さんをとがめる意図は毛頭ない。彼女の発言は社会の状況から生まれたものであり、彼女は悪くない。

 読者のみなさんは「お前は何をそんなにプリプリ怒っているのか」と、お思いであろう。少し落ち着いてご説明したい。