30代でアナウンサーを辞め、弁護士という新しいフィールドに挑戦した菊間千乃さん。自らの手でキャリアを選択してきた菊間さんが、心に響いた言葉や感じた事柄について語ります。今回のテーマは「結婚って」です。

「28歳で結婚」から一転、勉強漬けの30代

 「結婚って、したほうがいいですか?」

 結婚すれば全てがハッピーと思っているような独身の友人や後輩がいるのですが、「ん~そうかなぁ?」と思うこともあります。結婚をしてみて思うのは、いいこともたくさんあるけれど、必ずしもそれだけではないってこと。結婚して子どもがいるライフスタイルの呪縛に縛られる必要なんてないですよ。40代女性の約3割がシングルの今の時代、モノづくりや制度だって、両親に子ども2人という4人家族をスタンダードで考えていると、現実とは違ってしまうように思います。

 20代の頃の私はずっと「結婚したい」「結婚するだろう」と思っていました。フジテレビに入った頃は、28歳で結婚して、30歳で1人目を産んで、32歳で2人目。産休中に司法試験に合格して復帰をするというプランを考えていました。ただ、その一方で、専業主婦として家族に全ての愛情を注ぐ母を見ていて、自分がそういう状態になれるまでは結婚をしてはいけないような気もしていました。28歳までに結婚して自分の夢ややりたいことに一区切りつけることができるのかなと。結婚して子どもも欲しいけど、夢もあきらめたくない、ともやもやしていたのが20代でした。

「入社したころは28歳で結婚するぞ! と思っていました」
「入社したころは28歳で結婚するぞ! と思っていました」

 実際は32歳で夜間のロースクールに入り、30代は司法試験のために夢中で勉強し、合格したのが38歳。弁護士になってからも、分からないことだらけの世界で深夜まで働き、気が付いたら40歳になっていました。

 27、28歳の結婚第一波で友人の大半が結婚をし、バリバリ仕事をしていた友人も多くは35歳前後で結婚。司法試験受験を選んでしまった私は、結婚どころの騒ぎではありませんでした。あの当時は「合格できれば、全てを捨ててもいいです!」と神頼みしていたくらいですから、恋愛も成就したいなんてみじんも考えていませんでした。ゆえに、30代は結婚に対する危機感も全くありませんでしたね。

 まさか自分が40歳で独身なんて、20代の頃は全く想像していませんでした。