2030年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくても30%程度にすることを目標としている政府。全体としてはまだまだ低い水準ではあるものの、女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

 第10回は、日本で初めて「がん保険」を提供した保険会社、アフラックです。創業時から社員の女性比率は高く、業界初の女性役員を輩出するなど、女性活躍では業界をリードしてきました。さらに、変化する社会課題に対応する多様性ある組織を目指し、2014年に新たに女性活躍推進プログラムを策定。一層の取り組みを進めています。

 下編では、アフラック 東日本保険金サービス部給付金査定第二課 グループ長 遠藤知恵さんに、研修での経験とライン長としての日々について聞きました。

アフラック 東日本保険金サービス部給付金査定第二課 グループ長 遠藤知恵さん
アフラック 東日本保険金サービス部給付金査定第二課 グループ長 遠藤知恵さん

出産で中断していた研修を復職後に再開

―― まずは入社からの経歴についてお聞かせください

遠藤知恵さん(以下、敬称略) 1996年に入社して以来、お客様サービス部門という保険契約の引き受けから保険金の支払いまでの事務を行う部門で仕事をしています。2020年7月に管理職に昇格し、現在はグループ長という役割を担っています。

 3年前に第1子を出産しましたが、実はその前から管理職を目指してトレーニングを受けていました。その途中で妊娠し、一旦は大きなお腹をかかえて人事面接まで受けたものの、そのときはスキルも覚悟も足りなかったんですね。昇格には至りませんでした。

 育児休暇から復職したとき、それまでは後輩が復職するのを受け入れる立場で、同じ女性として分かっているつもりでしたが、実際に自分で子育てと仕事の両立を経験してみると、「何て大変なんだろう!」と初めて実感しました。

 そのような経験を通じて、より子育て世代の後輩の気持ちが理解できるようになり、改めて管理職を目指そうという思いがでてきて、1度途切れていた研修への参加を再開しました。