管理職へのパイプラインを強化するため、課長代理研修に注力

―― 女性の管理職の育成や研修プログラムについて教えてください

酒井 2014年の時点で、女性社員は男性社員に比べて管理職と課長代理の比率が低く、その手前の主任のポストで滞留していることが分かりました。そこで、主任層と課長代理層の育成に力を入れることにしたのです。

「主任から課長代理、さらにその上へのパイプラインを太くすることに注力しました」
「主任から課長代理、さらにその上へのパイプラインを太くすることに注力しました」

酒井 課長代理に昇格した年から6年間、その上の管理職への昇格マインドが途切れないように毎年研修を行っています。

 キャリアアップの意識を醸成する研修、文書力やプレゼン力を高める研修、自分の強み、弱みを自覚し、スキルを向上させる研修などがあります。最終年は上司と受講するペア研修と社長へのプレゼンテーションを行うプログラムを実施します。

 ペア研修では、本人が自身の課題をふまえて、昇格に向けて1年間のアクションプランを策定、上司も成長につながる業務のアサインについて本人とすり合わせをします。本人と上司が合意したうえで、OJTで育成支援を受けながら昇格を目指します。

 課長代理のトレーニングの総仕上げとして社長へのプレゼンテーションを行います。社長および担当役員に自部署のあるべき姿と現状、課題と解決策を説明します。社長も毎年約20人のプレゼンテーションに真剣に向き合って、一人ひとりにアドバイスをしていますので、参加者の視座を引き上げ、モチベーションをアップさせることにつながっています。

―― 課長以上の管理職へはどんなサポートがあるのですか?

酒井 課長の育成に関しては、有志の女性役員・女性部長が運営するAWLT(Aflac Women Leadership Training)というプログラムを2018年から開始しました。

 課長には自分たちで主体的に考え、行動することを強く意識付けています。部長までの道筋を自分で描いて、何が足りなくてどんなサポートをしてほしいのか、自分から役員へメンタリングを申し出ることができます。

 また、意識醸成のプログラムとして、社内外からロールモデルとなる人を招いて話を聞いたり、座談会を開いたりして、次のステップに上がっていくイメージを常に持つようにしています。