2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくても30%程度にすることを目標としている政府。女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

 連載第3回は日本航空、客室本部の研修を取り上げます。客室本部では管理職の女性比率が94%とほとんどが女性。昨年から客室本部の管理職を対象にした「自律型リーダー研修」を新たに導入したところです。下編では、その研修を受講した客室本部客室品質企画部業務グループマネージャーの岡部有里さんと客室本部客室マネージャーの堀内真弓さんに、印象に残った研修内容や参加してどう役に立ったのか聞きました。

【上編】部下のピンチは「私のチャンス」 JALの自律型研修

難しいことに直面したとき「チャンス」と口に出す

―― 実際に研修を受けてみて印象に残った内容を教えてください。

岡部有里さん(以下、敬称略) 最近あった困ったことをみんなに相談し、相談を受けたメンバーがどうやってサポートできるのか、アイデアを出すワークが面白かったです。キーワードは「チャンス!」。主語は自分で、自分に何ができるのか、まずは自分の出番だと思いなさい、というファシリテーターの言葉が心に残っています。

 そのときに私が相談したことについて後日、研修を一緒に受けた管理職が「どうなりました?」と気にかけてくれたり、自分ができることをメールで教えてくれたりしたことも、うれしかったですね。

―― どんなことを相談したのでしょうか。

岡部 私の普段の仕事は、客室乗務員の教育プログラムを策定して実施することです。

 あるとき、客室乗務員から、乗務中お客様に説明する安全に関する事柄について、「座席に説明書きを置いておけば、お客様の理解が深まるし、私たちも説明がしやすい」と相談があったんです。安全に関することは本来、私が担当する内容ではありませんでした。けれども自分の出番だと思って各部署と調整を行い、結果的に解決に至りました。すべての部署の管理職が「自律型リーダー研修」を受けていたので、「部下が働きやすいように環境を整えるのは、私たちの出番でしたよね」と話を持っていきやすかったのも大きかったです。

 人って何か難しいことに直面したとき、できない理由を探してしまいがちで、自分もそうでした。けれども、難しいな困ったなと思った瞬間に、とりあえず「出番だ」「チャンスだ」と口に出すことによって、前向きに捉えられるようになりました。

岡部さん「難しいな困ったなと思った瞬間に、とりあえず『出番だ』『チャンスだ』と口に出すことによって、前向きに捉えられるようになりました」
岡部さん「難しいな困ったなと思った瞬間に、とりあえず『出番だ』『チャンスだ』と口に出すことによって、前向きに捉えられるようになりました」