2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度にすることを目標としている政府。全体としてはまだまだ低い水準ではあるものの、女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

 第2回は、国内社員は約2万2000人、全体では約2万9000人が働くJTBです。年間で1000本ほどの研修を行っており、管理職を対象にした新たな研修を導入したところです。下編では、その新しい研修である『「良い対立」をマネジメントし多様性を組織の強みに変えるコミュニケーション研修』(以下、マネジメント・コミュニケーション研修)に参加したJTBラウンジ プラチナム渋谷の店長の岡野輝美さんに、研修内容や参加してどう役に立ったのか聞きました。

【上編】JTBの研修 なぜですかと聞ける「健全な対立」生む

新しい発想を生むために、研修に参加

―― 「良い対立」について学ぶマネジメント・コミュニケーション研修の参加は希望制と聞きました。なぜ、受けようと思ったのですか?

岡野輝美さん(以下、敬称略) 今店長を務めている「JTBラウンジ プラチナム渋谷」は2018年9月にオープンしました。JTBで初めての完全来店予約制で、JTBステージ会員のお得意様専用のラウンジです。会社からの期待も大きく、お客様からの期待もある中、お客様にご満足いただくためには、この店舗で働く社員全員が新しい発想で新たな取り組みをしていかなければなりません。そこで「良い対立」と意見を出し合う風土が必要だと思い、マネジメント・コミュニケーション研修を受けてみようと思いました。

JTBラウンジ プラチナム渋谷の店長の岡野輝美さん「完全予約制、会員専用の店舗の店長となり、新しい発想で何かを生んでいく必要を感じました」

対立は「条件」「認知」「感情」の3種類

―― 実際に研修を受けてみてどうでしたか?

岡野 朝から夕方までの丸2日間の研修で、とても充実していました。新しい言葉や考え方をたくさん教わりました。

 私がこの研修で一番ふに落ちたのが、「対立解決の枠組み」です。対立には「条件の対立」「認知の対立」「感情の対立」の3種類があり、その種類によって解決方法・プロセス・ゴールが違います。対立が生じた場合どの種類の対立か分析したうえで、それに合わせた対処方法をとるという「型」を教えてもらったことが、今後に活かせる論理的な手法で良かったです。

研修で配布された「対立解決の枠組み」を説明するカード。岡野さんは手帳に入れて見返しているという(日本能率協会マネジメントセンター研修素材)

 対立というと大げさに聞こえますが、日常的に起こっています。例えば、シフト作成上のトラブル、社員側からすると「自分の好きな日に休みがほしい」けれど、シフト作成側からすると「その日のメンバーの販売スキルをみて戦力的に均等にしたい」というような場合も、ここでいうひとつの対立です。対立を認識し、種類を見極め、その場しのぎの対応ではなく、「対立解決の枠組み」を理解し実践することの重要性を学びました。

「人気者の部下」にどう心を開いてもらえるか

―― 印象に残っているワーク等はありましたか。