女性の活躍が上司として重要なミッション

鈴木 その他、3年ほど前から「イクボスセミナー」を開催しています。わが社では、イクボス=女性を部下に持つ管理職と定義をしていて、女性ならではの視点やアイデアをしっかりと受け止めながら活躍できるようにしていくことが上司として重要なミッションだと考えています。

 現在、グループ全体で課長職の約4割が女性です。ですが年に1回、社員全員に行っている意識調査によると、入社1~4年目、5~10年目の女性社員のうち、今後3年以上働き続けることを考えていない人が約3割もいます。役職に対しても興味がなく、現在のままでいいという女性も男性に比べると圧倒的に多い。能力があっても、自分は管理職にふさわしくないと思っている女性が残念ながら多いのが現状です。

 「頑張れば上を目指せるし、その先にはいろいろなキャリアがあり、その実現に向けていろいろなことができるようにする」という意識を持ってもらうよう、働きかける必要があります。部下の女性社員自らも意識や行動を変えてもらいたいし、部下に働きかけるミドルマネジメント層が極めて重要だと考えています。今後も研修体系や内容を見直しながら、新たな取り組みも行っていく予定です。

 下編では、実際にマネジメント・コミュニケーション研修を受けた管理職の女性社員に話を聞きます。

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JTBの女性管理職「対立やバイアス知りチーム力向上」

取材・文/平野友紀子 写真/鈴木愛子