2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度にすることを目標としている政府。全体としてはまだまだ低い水準ではあるものの、女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

 第8回は、キリングループです。2007年に女性活躍推進の取り組みをスタートさせた同社は、ワーク・ライフ・バランスサポート休業制度や在宅勤務制度などの環境整備を充実させると同時に、女性リーダー育成施策に取り組んできました。2009年に開講した女性社員向けの研修「キリンウィメンズカレッジ」を、2014年には経営職を目指す総合職女性社員をターゲットに内容を一新。女性社員が経営職候補としての意識を高める研修を行っています。

 上編では、キリンホールディングス人事総務部多様性推進室の豊福美咲さんと関根優さんに、「キリンウィメンズカレッジ」の取り組みについて聞きました。

今回はキリンに来たよ!
今回はキリンに来たよ!

全国の女性社員が集合! 経営陣への提言によりさまざまな制度が新設

―― キリングループの女性活躍推進の取り組みについて教えてください。

関根優さん(以下、敬称略) キリングループは、多様な人材と挑戦する風土を大切にしています。性別など属性の多様性から取り組みをはじめ、、次第に内面の多様性にフォーカスするようになり、違いを力に変える、というのがキーになっています。女性活躍推進は多様な人材が活躍し、違いを力に変えるための基盤と捉え、人事総務部内の多様性推進室で取り組んでいます。

 スタートは2007年、社長のトップダウンで女性活躍推進がスタートしました。「キリンウィメンズネットワーク(KWN)」を発足し、「半歩でもいいから、前へ」をテーマに活動開始。当時は全国の女性社員全員が集まるイベントを開催したこともあります。

 そこから2009年にKWN推進委員により経営陣への提言が行われ、ワーク・ライフ・バランスサポート休業制度(2009年~)、自己都合退職後に、再入社して働くことができるキャリアリターン制度(2009年〜)、在宅勤務制度(2013年~)などが新設されました。2009年には、女性社員がリーダーにチャレンジする意識と機会を醸成するための「キリンウィメンズカレッジ」が開講。2014年に内容を一新し、現在も続いています。