自分の職場への提言をプレゼンテーション。1年かけて実行

―― 「キリンウィメンズカレッジ」とは、どのような内容なのでしょうか?

関根 ターゲットは、経営職を目指す全国転勤型の総合職で入社7年目以降から35歳未満の女性社員です。定員は約25人、立候補制の公募で自身の願書とリーダーの推薦状を書いて応募してもらいます。グループ会社も参加しているので、多様なメンバーが集まります。

 期間は約6カ月間、10時から17時半までのセッションが全7回。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催をしています。

女性活躍推進を担当する関根さん
女性活躍推進を担当する関根さん

 講師はプロノバの岡島悦子先生で、実践型の研修に重きを置いています。問題解決力やリーダーシップ、プレゼンテーションの講義をはじめ、キリンウィメンズカレッジの卒業生によるパネルディスカッション、弊社の経営トップ、または経営企画部のトップによる経営戦略の講演もあります。

 毎回宿題もあり、課題図書を読んだり、学んだフレームワークを実践してリポートを提出したりと、受講生はかなりハードだと思います(笑)。受講生同士はビジネスチャットアプリを活用して、横のつながりで連携し、OGを巻き込みながら課題に取り組んでいるようです。

 最終セッションでは、自分のリーダーのさらに上のリーダーの視点に立ち、プレゼンテーションには直属のリーダーも立ち会い、最終的にポイント制で評価され順位がつきます。上位4名はキリンホールディングスの社長の前でプレゼンテーションをする機会が与えられます。

 さらに、研修を終えた後、提言した内容を1年間かけて実行します。職場を巻き込みながら、自らリーダーシップを発揮し、どう解決できるか、研修を通じて学んだことを実践してもらいます。

リーダーシップを発揮する楽しさを感じ、キャリアアップに前向きに

―― 「キリンウィメンズカレッジ」の反響はいかがですか?

関根 受講生の受講後のアンケート結果を見ると、リーダーシップを発揮する楽しさが見えた、実際にプロジェクトをリードすることで責任感や主体性が芽生えた、より成長したいと思うようになった、という声が上がっています。キャリアアップに向けて前向きに捉えるようになった受講生が多い印象です。

違いを力にできる、多様性のある組織作りのために頑張ります
違いを力にできる、多様性のある組織作りのために頑張ります

関根 最終セッションに参加してもらった直属のリーダーのアンケート結果では、自分自身も女性メンバーを持つ身として勉強になった、女性リーダー育成の研修は必要だと感じた、という声が上がっています。女性メンバーを育成することに対して、男性リーダーもより前向きに捉えられるようになったと感じています。

豊福 女性活躍を推進するために、「キリンウィメンズカレッジ」をはじめ、トップダウンとボトムアップの両輪で取り組みを行ってきました。特に若手女性は前倒しのキャリアで育成することを方針としています。ライフイベントを迎える前に、早めにさまざまな仕事の経験をしてもらうことで本人に自信を持ってもらうのが狙いです。

 2013年時点で女性リーダー比率が4.2%だったところ、2020年に9.7%になりました。2021年に12%の目標へ向けて、引き続き頑張っていきたいです。

※近日公開の「下」では、実際に「キリンウィメンズカレッジ」を受講した女性管理職に話を聞きます。

取材・文/平野友紀子 写真/鈴木愛子