2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくても30%程度にすることを目標としている政府。全体としてはまだまだ低い水準ではあるものの、女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

(上)オリックス 女性管理職に指名制メンタリング制度
(下)管理職メンターの効果 もらった言葉は自分の部下へ贈る ←今回はココ

 第1回は、国内社員の4割を女性が占めるオリックスです。現在の女性管理職比率は24%、女性の活躍推進のためのさまざまな取り組みを行っています。「下」では、メンタリングプログラムに参加し、現在は女性管理職として活躍している業法管理部業法管理チーム長の茅野紅弥さんに、実際に参加してどう役立ったのか聞きました。

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オリックス 女性管理職に指名制メンタリング制度


突然の出向。戸惑いを感じプログラムに参加

―― 茅野さんがメンタリングプログラムに参加されたのは、2012年の秋から2013年の秋だそうですね。

茅野紅弥さん(以下、敬称略) はい、入社して10年以上たち、課長クラスに昇進したばかりの頃、オリックスからグループ会社のオリックス生命保険に突然出向になりました。それまで全く畑違いの仕事をしていたので、「なぜ自分が出向になったのだろう、保険の知識もなく、どうしたらいいのか分からない」と戸惑いと不安を抱えていた矢先に、人事部よりメンタリングプログラムの連絡があり、参加することにしました。

―― どんなメンターを希望したのですか?

茅野 人事部から名前や部署などが記されているメンターの候補者リストをもらったので、自分と同じようにオリックスから出向していて、オリックス生命保険と同様に金融庁が管轄する部門で勤務している方を探しました。そして、オリックスからオリックス不動産投資顧問に出向して取締役をしていた南江啓一郎さんを指名し、第1希望が通りました。面識はなかったけれど、以前の課長から優秀な人だと名前を聞いたことはありました。

「なぜ自分が出向になったのだろう、保険の知識もなく、どうしたらいいのか分からない」と戸惑いと不安を抱えていたとき、メンターと出会った
「なぜ自分が出向になったのだろう、保険の知識もなく、どうしたらいいのか分からない」と戸惑いと不安を抱えていたとき、メンターと出会った