2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくても30%程度にすることを目標としている政府。全体としてはまだまだ低い水準ではあるものの、女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

 第7回は、ソフトバンクです。社員数約1万7000人のうち、女性は約25%。女性がマイノリティーである通信業界の中では比較的女性比率が高く、多様な社員が活躍しています。2018年から、女性管理職がメンターとなるためのノウハウを、外部の人から学ぶ「社外メンタリング」を開始。その経験を生かして2019年から「社内メンタープログラム」を開始しています。

 下編では、社内メンタープログラムでメンターを務めているソフトバンクプロダクト&マーケティング統括コミュニケーション本部本部長の宮園香代子さんに話を聞きました。(肩書きは取材当時)

部下が150人。広告宣伝やプロモーションを統括

―― 今までのキャリアについて教えてください

宮園香代子さん(以下、敬称略) 大学卒業後、広告代理店に8年ほど勤めていました。何社か経た後、2002年にジェイフォンに中途入社し、広告宣伝系の仕事をしていました。その後、ボーダフォンになり、ソフトバンクになりましたが、マーケティング・広告系の仕事にずっと携わってきました。

 2006年に管理職になり、本部長になったのは3年前。今は携帯電話ブランドの「ソフトバンク」と「ワイモバイル」、「SoftBank Air」や「SoftBank 光」といった固定通信サービスの広告宣伝やプロモーションを統括しています。

 仕事が好きだったので、ずっと仕事をしていこうと若い頃から思っていました。今は日々いろいろな判断をしなければならず、責任を感じながら業務に取り組んでいます。部下は150人ほどいます。男女比は半々くらい。女性管理職は部長が1人、課長が2人います。社内では女性管理職が多い部署です。

社外メンターだからこそ、新しい視点や意見をもらえる

―― メンターをお願いされたときは、どんな気持ちでしたか?

宮園 前々から女性管理職比率を上げたいという話をダイバーシティ推進課から聞いていたので、私自身にもできることは何かないかなと考えていたところでした。メンタープログラムの話を聞いたときに、やってみようと思いました。

 最初に私自身がメンティになり、社外のメンターと隔週で1時間の面談をしました。社外メンターは、もともと事業会社で副社長を務め、マーケティングや人事を統括した経験がある方でした。