2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくても30%程度にすることを目標としている政府。全体としてはまだまだ低い水準ではあるものの、女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

 第7回は、ソフトバンクです。社員数約1万7000人のうち、女性は約30%。女性がマイノリティーである通信業界の中では比較的女性比率が高く、多様な社員が活躍しています。2018年から、女性管理職がメンターとなるためのノウハウを、外部の人から学ぶ「社外メンタリング制度」を開始。その経験を生かして2019年から「社内メンタープログラム」を開始しています。

 上編では、ソフトバンク未来人材推進室の日下部奈々さんに社内メンタープログラムや女性活躍推進の取り組みについて聞きました。(肩書きは取材当時)

最初は「特に困っていることはない」と話す女性管理職だったが…

―― メンタープログラムを始めようと思ったきっかけを教えてください。

日下部奈々さん(以下、敬称略) ソフトバンクでは現在、チームリーダーや課長としてチームを引っ張る女性が増えてきています。さらに一歩上の役職で活躍する女性を増やすために、メンタープログラムを開始しました。

―― 社内メンタープログラムは、どのような内容なのでしょうか?

日下部 社内の部長層以上を中心に女性管理職からメンターを選んで任命し、女性課長層のメンタリングをするのですが、まずはメンターとなる女性自身にメンタリングの効果を理解して賛同してもらう必要があります。そこで2018年に3カ月間、外部講師からメンタリングを受けるという体験をしてもらいました。