「自分のままでいいんだ」世界中の仲間と受けた研修

―― マネジャーになってからは、どんなトレーニングを受けたのでしょうか?

岩﨑 ビシネスネゴシエーションスキルの研修に参加したり、スウェーデンでプロジェクトマネジメントの研修に参加したりしました。

 コーポレートコミュニケーションマネジャーになったときは、経営層メンバーとして役割も重くなってしまったのでとにかく自信がなかったんです。役員なんか絶対無理、自分がどう貢献できるか分からないという不安を、今の女性CEOのヘレン・フォン・ライスに伝えたら、メンターを2人つけてくれました。

 1人は米国で同じ仕事をしている大ベテラン。業務で分からないことがあったら、その人にいつでも聞くことができました。もう1人は、スウェーデンにいるメンターや心理学が専門の人事の方でした。バーンアウトしないテクニックや自信のつけ方など、実践できるテクニックを教えてもらいました。

 マイコンシャスリーダーシップというイケアのほとんどの管理職が受けるトレーニングも良かったです。自分がどんなリーダーか、どんなリーダーになりたいか、という気づきを与えるもので、3日間の集合型の研修を3回、自分自身にひたすら向き合うんです。

 私のときは「IKEA Tokyo-Bay」で開催されたのですが、イケアのオーストラリアと香港からトレーナーが来て、世界中から30人ぐらい参加者が集まり、5~6人1グループで9日間一緒に過ごします。生い立ちからはじまり、自分がつらかった経験、逆にうれしかった経験など、家族に話すよりも深い話をチームでするんです。

 このトレーニングを受けて、もう本当に自分自身のままでいいんだ、完璧なんか求めてはいけない、と気づくことができ、今ようやくマネジメントを楽しくやることができています。

「自分からマネジャーを志望したわけではないのですが、ライフステージに合わせてできる仕事を相談していったら、現在のポジションにたどり着きました」
「自分からマネジャーを志望したわけではないのですが、ライフステージに合わせてできる仕事を相談していったら、現在のポジションにたどり着きました」