28歳で管理職。2人の出産を経て経営幹部に

岩﨑 28歳の時に、リアルエステートマネジャーという店舗開発のマネジャー(部長)職に就きました。2年後に1人目を妊娠し、産休に入りました。

 待機児童が多い時期で自宅近くの保育園に入れず、横浜市の保育園に子どもを預けて横浜の「IKEA港北」のローカルマーケティングのマネジャー職に復帰。

 店舗勤務のときは、勤務時間が遅くなったり週末に出勤することもあったりしたのですが、今振り返ると第1子のタイミングで良かったと思っています。私が週末家にいないので、夫が家事・育児をするようになりました。また、平日休めるので、予防接種など病院に通いやすかったです。

 15年に2人目を妊娠し、16年には経営幹部であるコーポレートコミュニケーションマネジャーのポジションで復帰。今度は船橋の本社まで車で通い、子どもは社内の託児所に預けることにしました。19年にカントリーコミュニケーションマネジャーという仕事に就き、現在に至ります。

突然の管理職。同僚の言葉でふっと楽に

―― 28歳で管理職に就くのは、早い方なのでしょうか?

岩﨑 そうですね、割と早かったですが、イケア・ジャパンでは20代でマネジャー職に就くことは珍しくはないですね。

 実は、私自身はマネジャーになりたいと思ってはいませんでした。ちょうどリアルエステートマネジャーの仕事が空いていて、その上のプロパティーマネジャーが代理を務めていました。イケアはバケーションが長く、夏休みを1カ月取るんです。上司がいない中、未熟ながら社長や役員たちと密に働きながら一生懸命回していると、バケーションから戻ってきた上司が、「僕はもう代理をやらないから、君が来月からマネジャーね」と言われて、突然マネジャーになったのが最初でした。

―― 突然管理職と聞いて、どう思われましたか?

岩﨑 「マネジャーって何をしたらいいの?」と思いました。不動産の専門性の高い職種なので、部下は40代50代の日本人男性。彼らも特に専門性もない上司の下で不安だったと思います。

 マネジャーになってから3カ月後くらいに、英国人の上司に、「マネジャーに向いてなかったらスペシャリストに戻ってもいいよ」と言われました。

 そこでスペシャリストになっていたらまた違うキャリアパスがあったと思うのですが、上司との信頼関係はできていたので、「正直、自分の役割が分からない」と伝えました。上司は「僕から話してもいいけど、同じタイトルの人に聞いてみたら」と言ってくれて、同じポジションのベテランマネジャーに相談しました。すると、「エキスパートの皆さんの仕事をどれだけやりやすくできるかサポートするのが仕事だから、自分は専門性がなくてもいいんだよ」と言われてふっと楽になりました。それであればできるかなと思って、マネジャー職を続けることにしました。

 家庭の状況を鑑みて、その時にできるベストなソリューションを会社や上司が一緒に考えてくれるので、安心して何が不安かを話せる環境にあります。