2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくても30%程度にすることを目標としている政府。全体としてはまだまだ低い水準ではあるものの、女性管理職を増やす取り組みや、ARIA世代の女性が長期的なキャリアプランを描けるような支援を行う企業も増えています。そこで、女性管理職研修をはじめ、女性の活躍推進を積極的に行っている企業を取材し、各企業の取り組みを紹介します。

<上編>
味の素 身近にある「無意識の思い込み」を研修で知る


 第6回は、味の素です。下編では、アンコンシャス・バイアス研修を受講した味の素東京支社営業企画グループマネージャーの菅野由美子さんに話を聞きました。

人や仕事との出会いを通して可能性が広がり管理職に

―― 今までのキャリアについて教えてください

菅野由美子さん(以下、敬称略) 新卒で入社し研究所に配属され、家庭向けの商品開発に数年携わった後、工場で品質管理や生産企画を担当しました。それから再び研究所に戻り、業務用や加工用、医療食の商品開発に関わった後、現在の営業企画グループに配属されました。

 今は東京支社営業企画グループの広報・普及チーム長として、東京支社エリア内のお客様やお取引先に、自社の商品やサービスについて様々な面から情報を伝えるという、営業支援を行っています。

 管理職になったのは2年ほど前です。現在部下は6人で、5人が女性、1人が男性。年齢は20代から50代までいます。そのうち3人が管理栄養士、1人が栄養士、2人が調理師の資格を持っています。お客様に正しい情報を伝えるのが大事な仕事なので、それぞれの専門性を生かして仕事をしています。

 私自身は特に上昇志向があったわけではなく、人や仕事との出会いを通してキャリアが広がっていったので、会社に育てられたと思っています。

アンコンシャス・バイアスは、自分にもある

―― 営業部門では、まず管理職が集合型で外部講師による「アンコンシャス・バイアス研修」を受講し、その内容をチームメンバーに共有すると聞きました。実際に受講してどうでしたか?