女性がキャリアアップしたいと思える環境を提供したい

―― 女性活躍推進にどのような思いで取り組まれていますか?

ステファニー 私個人として、非常に熱意を持って取り組んでいます。法制度など外部要因に合わせて変えるのではなく、組織の中から自発的に変革する取り組みこそ、本当の変化だと思っています。もしも将来、私の娘が金融業界で働く日がきたとき、私が経験したような女性であるが故の苦労をすることなく、活躍できたら素晴らしいと思います。

 私自身が貢献できることは、キャリアアップの機会に恵まれない女性社員を後押しすることです。一部の日本人の女性は、キャリアアップに必ずしも積極的でないように感じます。これは、もしかすると十分なサポートが受けられないまま、あまりにも多くの戦いを強いられると感じてしまうからかもしれません。まず「キャリアを積みたい」と思ってもらうことが私の役割だと思います。

3人のお子さんを育てるシングルマザーだからこそ、ワーキングマザーにもキャリアを積んでもらいたいと熱い思いを語るステファニーさん
3人のお子さんを育てるシングルマザーだからこそ、ワーキングマザーにもキャリアを積んでもらいたいと熱い思いを語るステファニーさん

 なぜなら、それは会社をよりよくすることにつながるからです。現在のコロナ禍においても、対策がうまくいっている国は女性リーダーが多いというのは興味深い点です。それは、女性のリーダーが賢いからという訳ではなく、女性はさまざまな異なる視点の意見を取り込んで、より包括的に考えながら戦略を策定し、良い結果を生み出せるからだと思います。それは企業にとっても良いことだと思います。

―― どんな働きかけをしたら、女性自身がキャリアアップしたいと思えるようになると思いますか?

ステファニー まずはメンタリングが必要です。そして、ときには「守ってあげる」ことが大切だと思います。「若い芽」だと考えてチャンスを与え、その機会を生かして強く成長するのをしっかり「待つ」ということが重要です。