仕事を続けながら念願のMBAを取得

羽生 今日は日経ARIAで人気の特集記事をお題に、お話を聞いていきたいと思います。最初のテーマは「ARIA世代 人生を懸けた大人の学び直し」です。牛窪さんは、こちらのプロフィール写真がまさに学び直している雰囲気ですが。

牛窪さんは今年、立教大学大学院で経営学修士(MBA)を取得した
牛窪さんは今年、立教大学大学院で経営学修士(MBA)を取得した

牛窪 今年の春に修士号を取得したときの写真ですね。2年間、立教大学に通って、経営学修士(MBA)を取りました。30代後半から10年以上ずっと取りたいと思っていたんです。

羽生 仕事をしながら、学校に通っていたんですか。

牛窪 そうです。週5日、夕方6時20分から夜10時まで。夫は私が家に帰るまで待っていてくれて、一緒に食事を済ませてから、まだ課題のリポートがあるんですよ。

羽生 めちゃくちゃ忙しいじゃないですか。ARIAの取材で、真矢ミキさんも仕事をしながらの学び直しは「大変」とおっしゃっていました。でも、これから長い100年人生を走り抜けるには、40代で学び直しが必要になりますよね。

 網野さんは、いかがですか。

網野 私は20年間会社勤めをしていて、仕事も子育てもしながら、資格試験の勉強をするのが大変でした。そこで、オンラインで学べる講座を半年間、出勤するまでの朝1時間と、帰宅後の1時間、週3回のペースで受講しました。

羽生 それも、かなりハードですね。その頃、眠る時間はありましたか?

網野 子どもを寝かしつけてから、なんとか時間を捻出していました。今は、子どもの手が離れたのでスクールに通って、本質行動学を学んでいます。

羽生 ARIAで「学び直し」特集を企画した理由は、20代前半に大学で学んだ知識だけでは、残りの人生をサバイバルできないんじゃないかという考えからでした。とはいえ、今から勉強するのは、年齢的にも立場的にも簡単ではないですよね。牛窪さんは、周りのサポートはありましたか。

牛窪 夫はもちろん、会社のスタッフの協力も欠かせませんでしたね。あとは、体力。テストがあるし、毎回リポート提出もあるし、統計学では私が一番苦手な数学の微分積分まであって、睡眠時間はずっと削られていました。

羽生 それらをすべて乗り越えてきたわけですよね。素晴らしい。

 網野さんは、オンラインで受講されたそうですが、意志が相当強くないと難しそう。

網野 大変でした、自分のタイムマネジメントだけじゃなく、子どもが熱を出すとか、いろいろな要素で時間が足りなくて、単位はギリギリで取れました。

「大人の学び直しに必要なのは、周りの協力とタイムマネジメント」と語る網野さん
「大人の学び直しに必要なのは、周りの協力とタイムマネジメント」と語る網野さん

羽生 そのとき、家族の協力はありましたか?

網野 はい。私がオンラインで勉強しているときは、夫が食事を作ってくれたり、子どもを寝かしつけてくれたりしていましたね。

羽生 東京大学の柳川範之教授は「40歳定年制」が日本の企業には必要と提言されています。ひと昔前は、会社にぶら下がっていれば定年まで悠々自適でしたが、現状では不可能。40代で一度自分の人生をリセットするためにも、時間をやりくりしてでも学び直したいですよね。