ARIA世代こそ実践できる「VUCA LEADERSHIP」

 最後に登壇したのは、上瀧和子さん。広報・PRに関する研究・調査機関「PR総研」の副所長の立場から、「VUCA LEADERSHIP(ブーカ リーダーシップ)」について講演された。

共同ピーアールが開設した「PR総研」の副所長を務める上瀧和子さん
共同ピーアールが開設した「PR総研」の副所長を務める上瀧和子さん

 「ここ10年ほどで『VUCA(ブーカ)時代』という言葉がよく使われるようになりました。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、『変動的で複雑な時代』という意味です。これに日本の現状を当てはめると以下のようになります」

日本における「VUCA」
Volatility=世界最速の高齢化、少子化、労働力不足
Uncertainty=社会モデルの破綻、地政学的リスク
Complexity=同調圧力、炎上リスク
Ambiguity=あうんの呼吸(High Context 文化)

 さらにこれをARIA世代に当てはめると、このようになります。

40~50代、ARIA世代の「VUCA」
Volatility=身体的な老化
Uncertainty=経済的持続性
Complexity=次世代、介護
Ambiguity=旧式ロールモデル、国際化

 「ARIA世代は旧式ロールモデルをお手本に育っていますので、これまでの社会と現代の違いを肌で感じ、ダイバーシティとインクルージョンによるイノベーションを実現できる方々だと思います。そのためには『従来の価値観にとらわれない目を養う』ことが必要となっていきます。老化で起きるシミ・シワ・白髪だって、若いときにはできない貴重な経験ですよね。こうした経験さえも、仕事や生活に役立て、チャンスにつなげていくことが大事です」

状況に応じた「VUCA READERSHIP」
■方向性を見極めて、示す
■多様性を尊重し、安心安全を感じさせる
■前例にとらわれない改善、変化を促す
■気持ち、つながりを大切にする

 「リーダーはチームありきと思いがちですが、強い志があれば一人でもリーダーシップを発揮することは可能です。既存の常識にとらわれない発想を持ち、課題を成長の種でありネタだと考えることが、これからのリーダーに必要な資質です」