今は一人で身軽に始められるビジネスもたくさんありますが、会社組織を整えて人を雇い、利益を出していくとなると、続けることは容易ではありません。東京商工リサーチの調査によると、2018年に倒産した国内企業の約4分の1が、業歴10年未満でした。こうした厳しい現実がある中で、北欧ブランド商品の輸入販売事業を立ち上げ、会社を創業30年、年商20億円規模にまで導いてきたのがアペックス社長の芳子ビューエルさんです。起業と会社経営のリアルな壁をどう乗り越えてきたのか、羽生祥子編集長が聞きました。「お金」「営業」「ひと」をテーマに、濃縮全3回シリーズでお届けします。

(1)北欧輸入で年商20億円に育てた起業術 ←今回はココ
(2)成功起業家の営業のコツは「断られる」
(3)トラブル対処に効く社長のメンタル術

過去最高の売り上げを達成見込み

羽生編集長(以下、――) 起業はARIA世代にとってとても関心の高いテーマです。昔に比べたら起業のハードルはずっと下がっていると思いますが、それだけに、言葉は悪いですが「なんちゃって女性起業家さん」が多いのも現実。従業員を抱え、大地に根を張って30年間もビジネスを続けている芳子さんのような方のお話は、やはり説得力が違うと思います。はじめに会社の事業内容と、最新の数字を教えていただけますか。

芳子ビューエルさん(以下、芳子社長) 私は群馬県高崎市で2つの会社を経営しています。最初に作ったアペックスは1989年に資本金470万円でスタート。今年で32期を迎えます。現在は北欧ブランドのインテリアやアパレル、食品、化粧品、医薬部外品など幅広い商品の輸入販売を行っていて、テレビショッピングでの取り扱いが中心です。今期は売り上げが22億5000万円、経常利益が1億7000万円で着地する予定です。売り上げは過去最高、利益も2番目にいい年だと思います。

―― 経常利益が1億7000万円!? 素晴らしい業績ですね。もう1つの会社というのは?

芳子社長 2006年にアルトという会社を作りました。アペックスがテレビショッピングで成長していくにつれて、いろんな人がそのノウハウを聞きに来るようになったんですね。その問い合わせがあまりにも多くなったので、別にコンサル会社を作って、ビジネスとして有料でお引き受けすることにしました。

 実は2012年にアペックスはM&Aをして、東証1部上場企業と資本提携をしています。これは夫が病気になったことがきっかけでしたが、その際に業務内容を精査して、アペックスに残すもの、アルトに残すものを変えました。アルトのほうは現在、ニトリさんの商品開発が中心で、他にカフェやインテリアショップの経営などもしています。売り上げは大体3億円、多いときで6億円です。

―― この30年間、もちろん経営は最初から順風満帆ではなかったと思います。安定路線になったのはいつごろからでしょうか?

「今期は売り上げが22億5000万円、経常利益が1億7000万円で着地する予定です。売り上げは過去最高、利益も2番目にいい年だと思います」