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キャリアとお金の相談室

希望退職の募集、会社に残るより応じたほうがいいの?

「ノープラン」で「割増退職金を重視して」応じるのは危険。判断のポイントを社労士が解説


定年後を見据えた働き方、生き方を意識し始めたシングル会社員の悩みに、「キャリア」と「お金」の両面から実践的なアドバイスをお届けします。今回の相談者は、勤務先が発表した希望退職募集の対象となった女性。自社が希望退職者を募るとは想像もしておらず、しかも同期の友人が応じると聞いて当惑しています。早期・希望退職に応じるメリットとデメリットとは? 社会保険労務士の佐佐木由美子さんが詳しく解説します。

相談者No.6 カナコさん(44歳、メーカー)

大手メーカーである勤務先が、40歳以上の従業員を対象に大規模な希望退職の募集をすると発表。「まさかうちの会社に限って……」とショックを受けるのもつかの間、同期入社の友人は募集に応じて早期退職するという。友人はもともと定年まで勤めるつもりはなく、FIREに憧れていたというが、カナコさんにとっては青天のへきれき。そういえば最近、「45歳定年制」が話題になっている。希望退職というのは表向きで、応じなければ肩をたたかれるのだろうか。入社以来、この会社一筋で頑張ってきたのに、どうしたらよいのか分からない。

キャリア編アドバイザー 佐佐木由美子さん(社会保険労務士)

早期・希望退職の実施は黒字企業にも及んでいる

 東京商工リサーチの発表によると、2021年の上場企業の早期・希望退職者募集人数は、10月末までに72社、1万4505人に達しています。コロナ禍以降、業績悪化を理由にした中堅企業の小規模募集と、大企業の大型募集がそれぞれ進んでいると見られます。

 早期・希望退職といえば、赤字企業が行うものとされていた常識は過去の話。近年は、業績に問題がなく経営資源に余裕のある大企業において、業務の効率化や中長期的な経営見直しによる募集が目立っています。そうなると、カナコさんのように大企業に勤めていても、いつ大規模な希望退職の募集があるか分かりません。想定していなかった状況で、同期が手を挙げるとなれば、心穏やかにはいられないことでしょう。

 早期・希望退職制度は企業によって内容は異なるものの、一般的なケースについて、長所短所を考えてみましょう。

早期・希望退職制度とリストラの相違点は

 早期・希望退職制度とは、企業の業績悪化による人員削減や組織再編などを理由に、定年前の一定期間において社員から退職を募る制度を言います。対象者については、例えば「45歳~59歳」「勤続15年以上」など、一定の範囲に絞って募集するのが一般的です。

 そもそも企業の定年は60歳を下回ることが法律上認められていません。仮に60歳定年の企業でも、希望する社員には65歳まで継続して雇用する義務を企業が負っています。さらに2021年4月から、70歳までの就業継続措置を設けることは企業の努力義務とされています。

 長寿化で職業人生が長くなることが見込まれる中、サントリーホールディングスの新浪剛史社長が「45歳定年制」に言及し、注目を集めたのは記憶に新しいところです。45歳を定年とすることは現実的には認められませんが、早期・希望退職制度は任意で対象者を設定できます。最近では、新陳代謝として30代の若手社員からも退職を募るケースが見られます。

 早期・希望退職制度は、一般的に会社都合扱いの退職として、退職金の割増や再就職支援などの優遇措置が行われます。また、あくまでも本人の自由意思によって募集に応じるかどうかを決められることが、リストラのような人員整理とは大きく違う点です。

 実際に自社で募集が行われ、自分が対象者枠に入っているとしたら、条件を見ながら具体的に検討することになります。発表のタイミングから実際の募集開始までそれほど期間がない場合も考えられるので、読者の皆さんにとっても「もしものとき」をシミュレーションしておくのは悪くありません。次のページから、メリット・デメリットを見ていきましょう。

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