仕事をしながら準備の時間を確保し、「作戦」を練る

 いずれにしても、深く検討せずにいきなり会社を辞めるようなことは避けましょう。まずは、副業するための時間を確保すること。その時間で、例えばプロフェッショナルを育成するヨガインストラクターの養成講座に通ってみたり、ヨガスタジオで働いてみたり、あるいは実際に教える生徒さんを集めてみることです。

 今はオンラインでもレッスンができますし、マキさんは青山というおしゃれな立地にお住まいなので、自宅を教室として開放すれば集客に有利な上に場所を借りる費用もかからず一石二鳥ですね。それに、いずれ独り立ちするなら、個人で集客できる力が必要になります。SNSで集客するにしてもいきなりは難しいので、準備の時間を確保することは大切です。

 大きな組織で働いていると、その業務ではプロフェッショナルであっても、自分でマーケティングや営業を行い、商品の開発、サービスの提供、お金の回収、経費の支払いなど、ビジネス全体の流れが見えにくいところがあります。独立する前に、副業という立ち位置で一通り経験できるのは貴重です。もし、「やっぱり私には難しいかも」と思ったら、引き返すこともできますから。

 私たちは年齢を重ねるごとに、やりたいことを諦めてしまいがちです。マキさんのようにやってみたいと思うことがあるなら、戦略をしっかり練った上で、前に進んでみましょう。

――次回はお金編のアドバイスをお届けします。

文/佐佐木由美子 イメージ写真/PIXTA