まず、会社にある就業規則で副業に関する規定を確認しましょう。許可制になっている場合は、どういう副業をどのくらいするのか、雇用形態などについて提出が求められるはずなので、指定されたルールは守ることが大切。内緒でやろうなどとは思わないことです。

 会社側も、副業を頭ごなしにダメだと言えなくなっています。実際に、副業・兼業に関する裁判例を見ると、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的に労働者の自由だということ。もし、会社が制限できるとすれば、(1)労務提供上の支障がある場合、(2)業務上の秘密が漏洩する場合、(3)競業により自社の利益が害される場合、(4)自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、が挙げられます。

 簡単に言えば、副業のポイントとなるのはこの4つです。

(1)働き過ぎに注意! 本業に支障が出るようなむちゃな働き方はNG!
(2)仕事上の秘密はくれぐれも守って!
(3)同業他社、ライバル企業の仕事は避けて!
(4)会社の名誉・信用を傷つける副業はダメ!

 簡単にお金を稼ごうと思えば、これまでの経験やスキル、人脈を生かしたほうがやりやすいことは確かです。でも、実際にライバル企業での副業が明るみに出て、懲戒処分が出ているケースなどもあるので気を付けましょう。

激務の人はどうやって副業を始めればいい?

 マキさんの場合、全くの異業種なので(2)(3)(4)はOKとして、問題なのは(1)について。編集の仕事が激務だということなので、今のペースのまま、さらに慣れない副業を加えるとなると、体力面が心配です。

 そこで、可能であれば本業の働き方を変えてみることを検討してみてください。

 編集者や記者のように専門的な業務(法令により19業務に限定)では、裁量労働制が採用されている場合もあります。これは、実際に働いた時間とは関係なく、労使協定で定められた時間を働いたものとみなす制度。仕事のやり方や時間配分は本人の裁量でコントロールできるので融通が利く半面、みなし労働時間を超えていくら働いても残業代は出ません。もし裁量労働制で働いているのであれば、みなし時間や業務量の調整はできないか相談してみるのもひとつでしょう。