結婚、流産、失職、離婚、再婚、2拠点生活、更年期…人生の山谷を数多く経験してきた酒ジャーナリスト・エッセイストの葉石かおりさん(53歳)。現在、東京と京都の2拠点で過ごすデュアルライフを実践する中で、「夫婦の距離感」の育み方に新たな気付きがあったそう。今宵もデュアルライフに乾杯! オススメのお酒とともに、ARIA世代夫婦の関係性を考えます。

 「リアルな距離がココロの距離を縮める」

 東京と京都で夫婦それぞれが暮らす、2拠点(デュアル)ライフの良さについて同世代の友人らにこう話すと、以前は「そんなのキレイごと。夫婦はやっぱり一緒にいなくちゃね」という意見が返ってきたのですが、昨今は「分かる。ホントにそうだよね」と共感の嵐。

 「何でかな?」と疑問に思った瞬間、考える間もなく、その答えが分かりました。同世代の友人は早くに結婚し、子どもも社会人として独り立ちして、夫婦二人の暮らしにライフシフトしているから。それまでは子どもがいることでクッションとなっていた問題や不満が、夫婦二人になると直球で受け止めなくてはならなくなる。子どもがいるうちからコミュニケーションを密にし、何かある度に話し合って乗り越えてきた夫婦であれば2人だけになっても関係性はそう大きく変化しないと思いますが、そうではない場合、逃げ場がなく、息が詰まるような感覚に陥るようです。

夫婦が離れることで、程よい心の距離感ができた

 これは夫婦に限ったことではないと思いますが、いろんな人生経験をしてきたいい大人同士が常に同じ空間で一緒にいるのは、どんなに仲良くても「しんどい」。

夫婦ふたり、ARIA世代になっても直球でぶつかっていたら、しんどくなります

 実の親だってそうですよね。実家を出て、一人暮らしが長くなれば、離れている間にそれぞれに時間の過ごし方が構築されているので、お正月やお盆などの数日間、実家に泊まると、「早く自分の家に帰りたいな」とうずうずし始める。血のつながった親子でさえこうなのですから、もともと他人の夫婦ともなれば、「しんどい」と思うのは当然のことです。