「都会を卒業して、田舎でゆったり暮らしたい」――誰しも、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか。とはいえ、家族の説得、家や仕事探し、新たなご近所さんとのお付き合いなど、越えるべき数多のハードルを前に「移住は夢物語」とあきらめている人も多いはず。そこで、国内の自然あふれる地方に移り、新たな生活をスタートさせた「移住の先輩」に移住成功の極意を聞きます。

上/山梨の限界集落に移住、家賃2万円の古民家で2拠点生活
下/改修費は200万円。限界集落へ移住後、農家民宿を開業 ←今回はココ

「死ぬまで付き合う覚悟」で、江戸時代の古民家を購入

―― 移住から3年たった2016年、築300年の古民家に複数の畑がついた、総面積5000平米の大型物件が芦川で売りに出されました。所有者の願いはただ1つ「別荘族ではなく、村に住み、地域を維持してくれる人に譲りたい」というもの。それを知った真さんが発した一言は、「ならば僕らが買おう」でした。

真さん 住民同士の寄り合いのほか、東京から人を集めて行う研修やワークショップ、学生のフィールドワークなどが徐々に増え、「芦川に関わる誰もが気軽に集える拠点がほしい」と感じるようになっていたんです。村には公共宿泊施設もありますが、退出時間などの決まりが多く、使い勝手がよくありませんでした。

 僕たちが既に住んでいた家は、家賃2万円の賃貸でしたが、過疎地の不動産は買ったが最後、転売することは非常に困難です。しかもその古民家は重機が通れない細い道の奥にあり、将来的な建て替えも不可能でした。

亜紀さん 1年近く悩みましたが、最後は「この家と死ぬまで付き合う」と腹を括り、購入を決めました。

山本真さん(左)は、山梨県北杜市→笛吹市へ、渡辺亜紀さん(右)は東京都中央区→笛吹市へ。亜紀さんは東京でも仕事をする出稼ぎ生活を送っている。農家民宿「アシガワ・デ・クラッソ」(大人8000円、1泊2食、税別)の看板の前で
山本真さん(左)は、山梨県北杜市→笛吹市へ、渡辺亜紀さん(右)は東京都中央区→笛吹市へ。亜紀さんは東京でも仕事をする出稼ぎ生活を送っている。農家民宿「アシガワ・デ・クラッソ」(大人8000円、1泊2食、税別)の看板の前で
3匹の犬の散歩は日課。黒犬のピノ・ノワール(左)、ピノとよく似ていたので縁を感じて引き取ったミランダ(右)。茶色のナルトは人懐っこく、近所のおばあちゃん人気No.1。3匹とも保護犬だった
3匹の犬の散歩は日課。黒犬のピノ・ノワール(左)、ピノとよく似ていたので縁を感じて引き取ったミランダ(右)。茶色のナルトは人懐っこく、近所のおばあちゃん人気No.1。3匹とも保護犬だった
3匹の犬の散歩は日課。黒犬のピノ・ノワール(左)、ピノとよく似ていたので縁を感じて引き取ったミランダ(右)。茶色のナルトは人懐っこく、近所のおばあちゃん人気No.1。3匹とも保護犬だった