40歳目前で東京から長野県茅野市に移住した田子直美さん。「ふわっと移住した」と振り返りますが、茅野市で充実した暮らしを送れている理由は? (下)をお届けします。

(上)40歳目前でふわっと移住 未経験でも仕事が決まった訳
(下)東京→長野に移住で達成した2つのこと でも迷うのは… ←今回はココ

 大手カフェチェーンでの採用・教育の仕事を経て、ブライダル企業に転職。ウエディングプランナーとして活躍するも、尊敬する創業者兼デザイナーの死に触れ、働きづめの人生を見直そうと決めた田子直美さん(44歳)。

 「だめなら帰ってくればいい」との友人の言葉に勇気をもらい、趣味の登山を楽しめる場所に住みたいと、長野県茅野市に39歳で移住して地域おこし協力隊員に。同市の観光プロモーションと地域活性化を行う一般社団法人「ちの観光まちづくり推進機構(以下、推進機構)」で働く日々が始まりました。

茅野ならではの魅力に触れられる「ちの旅」の企画を担当。プログラムを体験した都会の若い人や外国人客から、「おばあちゃんの料理、めちゃくちゃおいしい」などと言われると、地域のお年寄りのテンションが一気に上がるという田子さん。「茅野が持続可能なまちとして生き残るには、便利になるよう開発を続けるより、とことん田舎のままであり続けた方がいいと思うんです」
茅野ならではの魅力に触れられる「ちの旅」の企画を担当。プログラムを体験した都会の若い人や外国人客から、「おばあちゃんの料理、めちゃくちゃおいしい」などと言われると、地域のお年寄りのテンションが一気に上がるという田子さん。「茅野が持続可能なまちとして生き残るには、便利になるよう開発を続けるより、とことん田舎のままであり続けた方がいいと思うんです」

移住先の「山」でつながった男性と結婚

 移住後の最大の変化は「プライベートが充実したこと」と田子さん。4年前、隣町出身の山好きの男性と結婚。休みの日には、夫や登山仲間らと県内各地の山々に足を延ばします。

 また地元の農家の人たちに教わりながら、借りた畑で15種類ほどの野菜を育てるほか、昨年は養蜂にも初挑戦。「秋の厳しい冷え込みとスズメバチの襲撃を受け」、養蜂はうまくいかなかったものの、野菜作りは着々と上達。「もらいっぱなし」を脱し、「物々交換もだんだん楽しめるようになってきました」