仕事も遊びも、楽しく頑張るのは好きだけど、でもちょっと最近息切れ気味…。そんな胸突き八丁のARIAなお姉さまがた、こちらでちょっと一服していきませんか? 皆さんをお迎えするのは、「覇気がない」を自認する北海道在住のエッセイスト、北大路公子さん。50代実家暮らし、お酒をこよなく愛するキミコさんが切り取る日常は、役に立つ話はほぼゼロ! しかしながら、そのゆるさと無駄にさえわたるユーモア、並みの高級エステより癒やし効果抜群かもしれません。

ぃやああああああああああああ

 家のオイルサーバーの調子が悪い。オイルサーバーというのは、屋外タンクから灯油を吸い上げ、室内のボイラーに送る機械である。私の住む札幌では、屋外に灯油タンクが設置されている家が多く、我が家の場合、450リットルのタンクに、冬だと3週間に一度、夏は2~3カ月に一度の割合で給油がなされる。その灯油をせっせと2階にくみ上げるのがオイルサーバーで、つまり暖房はもちろん風呂や炊事に欠かせないのであるが、最近そのサーバーが、異音を発する。異音というか正確には断末魔の叫びである。夜、風呂上がりに居間で機嫌よくビールを飲んでいると、「あ、お湯使いましたね」と気づいたサーバーが突如、吠える。

「ぃやああああああああああああ」

 いやなのはこっちだという話である。壊れたと認めると本当に壊れるので、今のところ「過去の恥ずかしいことを思い出して夜中に突然奇声を発するオイルサーバー(メンタル弱め)」として接しているが、しかし実際問題、冬が来る前に修理もしくは交換あるいは人生相談をしたほうがいいに決まっている。決まっているのだが、どうにも気が進まない。