メイクアップアーティストの草分けとして60年以上にわたり美容の仕事の最先端にいる小林照子さん。84歳を迎えた現在もなお、現役のトップアーティスト、美容研究家として活躍し、後進の育成にも注力しています。そんな小林さんにARIA世代の女性が、自分の印象と中身のギャップ、メイクの悩みなどを相談。「なりたい自分」に近づいてキャリア、プライベート共に毎日を生き生きと過ごすための「開運メイク」を教えてもらいます。

今回のお悩み&こうなりたい!
「加齢&ゴルフ焼けでくすみがちな肌に透明感が欲しい!」

BEFORE

・趣味のゴルフで日焼けしたばかり
・肌のツヤや立体感が不足気味
・アイメイクは抑えめベージュ系

プロフィル
島田 薫さん(50歳)。株式会社薫風 KUNPOO南青山ジュエリーサロン代表取締役。オーダーメイドジュエリーの制作・販売、ジュエリーのリフォームなどを手がける。

島田 薫さん(以下、敬称略) はじめまして。今日は肌のくすみを目立たなくして透明感のある肌に見せるメイクを教えていただけたらと思っています。

 実は今も顔がちょっと日焼けしてしまっておりまして……。つい先日、3日間ほど趣味のゴルフを満喫したばかりなんです。紫外線対策はしているのですが、ほぼ一日中外にいるとやっぱり焼けてしまうんですよね。

小林照子さん(以下、敬称略) まあ、3日間もゴルフを。いいですね! 島田さんはとても知性的で上品な雰囲気ですけれど、そうしたアクティブな面もお持ちなのですね。

島田 はい、ゴルフに限らず、休日などは家で静かに過ごすより外に出て体を動かすほうが好きですし、どちらかといえば行動的なほうだと思います。

 とはいえ、ジュエリーデザイナーという仕事柄、普段はメイクも服装も落ち着いた雰囲気を意識しています。お客様から「故人の形見であるジュエリーをリフォームしたい」「離婚を機にかつてもらった婚約指輪を別の形に生まれ変わらせたい」といったライフステージに関わるご相談を受ける機会も多いですし、見た目が与える信頼感を大切にしたいと思っているんです。

小林 おっしゃる通り、「この人なら特別なジュエリーを安心しておまかせできそう」と思わせてくれる雰囲気が島田さんにはありますね。島田さんのお仕事ではとても大切なことだと思います。

 ただ、キャリアのある女性は一般的に40代後半以降になると、メイクやファッションが保守的になりやすい傾向があるんですね。「こういう立場なのだから、こうあらねばならない」と自分で決めつけて守りに入った結果、発言なども保守的になってしまって本来の個性を失っている方を目にすることも少なくないのです。良くも悪くも、人はいつのまにか見た目に合わせた性格になっていってしまうものなのですよね。

 島田さんも本当は行動的なタイプなのに、そういう面はあまり出さないよう抑えている部分もあったりするのかしら。

島田 そういう部分はあるかもしれません。仕事上だけでなくプライベートでも、もう50代なのだから年相応のメイクや装いをしなくては、と事あるごとに思ってしまうんですよね。自分で自分の年齢にとらわれてしまっているのかも。

 メイクも美容部員さんが勧めてくれたアイシャドウやチークをそのまま使っているだけですし、使う色もブラウンやベージュなど無難なものばかり。これも年齢とともに保守的になってきていることの表れのひとつかもしれないですね。

小林 自分で「もう50代だから」と年齢を意識したメイクや振る舞いをしていると、不思議なものでまわりもなんとなく「あの人は結構年齢がいっている」という目で見るようになってしまうんですよね。

 いつまでも若々しくあり続けるためには、自分の見た目をあえて年齢不詳の方向にもっていく、ということも実は大切です。若作りするということではなくて、「年相応」を意識しすぎるのをやめてみるのね。

 普段のお仕事でメイクの雰囲気をがらっと変えるのは難しいと思いますが、TPOに合わせてメイクやヘアスタイルをよりアクティブな感じにするなど少しずつ自分を解き放していくと、島田さんはもっと素敵になれるはず。お仕事の幅もますます広がっていくかもしれませんよ。

 今回は島田さんが最初におっしゃっていた「透明感のある肌に見せるベースメイク」を中心に、今までとはちょっと違うアクティブな方向のメイクに挑戦してみましょう。

島田 わあ、うれしいです! 先生に新しい自分を引き出していただけるのかと思うとワクワクします。よろしくお願いします。

「ファンデーション1色だけで顔全体に透明感を出そうとするのは難しいもの。明るくするゾーンと暗めにするゾーンを分けて塗ることで透明感に加え、自然な立体感も出すことができます。ぜひそのテクニックをマスターしてくださいね」(小林さん)
「ファンデーション1色だけで顔全体に透明感を出そうとするのは難しいもの。明るくするゾーンと暗めにするゾーンを分けて塗ることで透明感に加え、自然な立体感も出すことができます。ぜひそのテクニックをマスターしてくださいね」(小林さん)
小林照子さんからのアドバイス 1ベースメイク 透明感&立体感のカギは顔の中心にあり 2アイメイク 涼やか目元で肌の透明感を際立たせる 3 リップメイク ナチュラルカラー×オーバーリップで垢抜け!