副業になりそうな趣味や、ひとり時間が充実しそうな休日の過ごし方、話題の新サービス――。いろいろ試したいけれど時間がつくれない「欲張りARIA」のために、ARIA編集部が自ら試してご報告します。今回はクラウドファンディングで画集作りに挑戦してみました。10カ月にわたって展開したプロジェクトを、順を追って紹介します。

「画集を作りたい」友人の情熱からプロジェクトはスタート

 2020年11月1日 古い友人で画家のshinさんが「相談がある」と訪ねてきました。この日の彼女は何か決意がみなぎっているようでした。

 「コロナ禍で作品を直接見てもらう機会が減ったので、画集を作ろうと思う」

 画集作りは大賛成、私もボランティアで手伝わせてほしいと伝えました。私が応援しようと決めたのは、shinさんが「画家一本で生活していく」と決意していたからです。美大を出て、他の仕事もしながら描き続けてきた彼女の絵は人気があって、着実に売れてはいるのですが、先の見えないコロナ禍の今、他の仕事はもうしない、画家だけに絞るというのはなかなか勇気がいることだと思うのです。

 彼女は多くの絵画に、絵画から受けたインスピレーションを文字にした「ライティング」をつけていて、展覧会では一緒に展示することもあります。画集にライティングも掲載することになり、画集やアートブックを見ながら、仕上がりのイメージについて話し合いました。

 shinさんは自分の描く絵を「プラズマアート」と呼びます。目に見える「形」だけでなく、それを支えるエネルギーや光の粒をキャッチして、絵画として表現するのだといいます。

 かなり鮮やかな色彩の絵画。果たしてこれらが4色刷りで再現できるのか。そこが大きなチャレンジです。印刷代はクラウドファンディング(以下、クラファン)で集めると決めて、何はともあれリサーチと準備を進めることにしました。

shinさんの描くプラズマアートは、ビビッドな色が特徴
shinさんの描くプラズマアートは、ビビッドな色が特徴