「きれいにやせる」と話題のジムや「大人の学び」ができる教室、副業になりそうな趣味や、ひとり時間が充実しそうな休日の過ごし方――。いろいろ試したいけれど時間がつくれない「欲張りARIA」のために、ARIA編集部が編集費に頼らず、自腹を切って試してご報告します。今回は長引く在宅テレワークに行き詰まったとき、3密を避けながらプチ・ワーケーションできる近場の名物旅館をはしごしてみました。

 「ワーケーション」という言葉が話題になっています。ワークとバケーションを合体した、旅先に滞在しながら仕事をするスタイルだそうです。年に数度は海外のリゾートへ行き、現地でパソコンを開いて働くという女性起業家さんも確かにいらっしゃいます。しかし、せっかくリゾートや観光地に行ったのに仕事をして過ごすのは、有名レストランに行って水だけ飲んでいるような感じで、自分としてはもったいないという気持ちが拭えません。

 このご時世、はるばる遠くへ出掛けるのも気が引けます。ならば近場でプチ・ワーケーションをする日があってもいいじゃないかと思い、自宅から30分程度で行ける範囲で探してみました。

3密を避けながらのテレワークプランいろいろ

 自宅でのテレワークにマンネリを感じたり、納期が迫っているのに家族がいて集中できなかったり。そういうときの助けになるのがいろいろ出ているホテルのテレワークプランです。もちろん好みで選べばいいのですが、今回は日本旅館にこだわりました。建物の構造上、通気性が良いので3密を避けられそうだし、適度な非日常感も味わえることを期待して。

 雨模様の月曜日。お邪魔したのは、東京・本郷にある鳳明館森川別館。以前に研修やイベントで来たことがありますが、部屋に入るのは初めてです。歴史を感じる廊下、建具や調度に美しさを感じます。部屋は2面に大きな窓があって風通し抜群。仕事用には、クラシックな文机を用意してくれます。窓辺からの眺めもレトロで、気分は勉学に励む帝大生か、大作の完成直前の文豪か。部屋は本当に静かで気が散ることがなく、疲れたら懐かしい昭和インテリアの応接室で休憩できます。

鳳明館(東京・本郷)の建物は本館、台町別館、森川別館の3つ。伝統文化関連の催しも多く、コロナ以降は密を避けた「非密集会」と称するイベントを開催している
鳳明館(東京・本郷)の建物は本館、台町別館、森川別館の3つ。伝統文化関連の催しも多く、コロナ以降は密を避けた「非密集会」と称するイベントを開催している
趣のある窓辺に、クラシックな文机。これに万年筆と原稿用紙があれば完璧
趣のある窓辺に、クラシックな文机。これに万年筆と原稿用紙があれば完璧

 今回利用したプランではないですが、鳳明館には「文豪缶詰プラン」という期間限定の人気プランがあります(日帰り、もしくは1泊)。このプランでは宿泊客が「原稿を仕上げるために旅館に缶詰めになる作家先生」という想定で、旅館スタッフが「担当編集者」となり、作家先生が逃げないように見張ったり、差し入れをしたり、「先生、進んでますか?」と進捗確認の圧をかけたりしてくれるそう(一部、別料金)。

 どうしても集中して仕上げたい仕事、締め切りぎりぎりで切羽詰まっている仕事があるときにはいいかもしれません。もちろん仕事は原稿執筆でなくても構いません。プレッシャーが不要な場合は普通にテレワーク利用で十分でしょう。

◆鳳明館
・テレワーク応援デイユースプラン 4時間:3300円、8時間:4500円
・文豪缶詰プラン 日帰り:1人1室6000円、1泊:1人1室8000円