音楽評論家、作詞家として50年以上のキャリアを持つ湯川れい子さん。国内のみならず世界中のスターやアーティストと親交を深めてきました。そんな湯川さんによる自筆のコラムです。世界中のアーティストとの交流、昨今のエンターテインメントについて考えていること、さまざまな土地を旅して感じていることなどをつづってもらいます。

待望のステージ再開。駆けつけたのはMIYAVIのライブ

 やっと少し秋らしくなってきましたね。

 その分、新型コロナが落ち着いてきたというわけでは決してないけれど、少しずつライブやステージが動きだしてきたのはうれしい限りです。まずはそんなご報告から。

 先日、9月14日と15日、六本木のミッドタウンの中にあるクラブ&レストラン、ビルボードライブ東京で、ギタリストで俳優、シンガー・ソングライターのMIYAVIのライブが再開されました。2019年12月21日に大阪で打ち上げた、米国、欧州、アジア全45都市を駆け巡ったワールド・ツアー「NO SLEEP TILL TOKYO」以降、コロナに遮られて動けずにいた待望のライブが、この両日に行われたのです。

 今回の「MIYAVI アコースティック・アット・ビルボード ライブ」は、その後大阪でも9月19日、20日とあったのですが、どんな内容だったかというと、従来のエレキ・ギターを指で激しく弾いて手で打ち鳴らす独特のスラップ奏法を、アコースティック・ギターに持ち替えて、ドラムとキーボードとバック・ボーカル1人だけという小編成で、グッと身近で聴かせて魅了してくれるステージでした。

ビルボードライブ東京にて、MIYAVIさんと一緒に
ビルボードライブ東京にて、MIYAVIさんと一緒に

 そう聞いただけで、ファンなら見たくてゾクゾクしてしまうのではと思うのですが、普段なら300人は入る客席なのに、感染防止のためのソーシャルディスタンスでキャパシティーを半分にしたこともあって、チケットは発売と同時にソールドアウト。涙をのんで諦めた人も多かったと聞いています。