突然の再会は涙、涙で

 ところが今から3年前。私が80歳を迎えた年の6月14日。音楽評論家55年、作詞家50年を記念して、ホテルニューオータニで音楽業界が大パーティーを開いてくださった時でした。

湯川さんの音楽評論家55年、作詞家50年を記念して、2016年にホテルニューオータニで開かれたパーティー(撮影/前田昌宏)
湯川さんの音楽評論家55年、作詞家50年を記念して、2016年にホテルニューオータニで開かれたパーティー(撮影/前田昌宏)

 私が作詞したヒット曲を松本伊代さんや鈴木雅之さんといった歌手の方が歌ってくださり、シンディ・ローパーやポール・マッカートニーなどからのビデオメッセージが流れた時に、思いもかけずコリーからのメッセージが画面から流れてきて、「本当は僕も日本までお祝いに駆けつけたかったんだけど、もう間に合わないもんなァ」と、ビデオの中のコリーが腕時計を見たと思ったら、会場いっぱいに「好きにならずにいられない」が流れ始め……

 なんと!なんと! コリー本人がステージに登場! 今もメチャクチャすてきな姿で、私のために「好きにならずにいられない」を歌い始めてくれたのでした。

「会場いっぱいに『好きにならずにいられない』が流れ始め…… なんと!なんと! コリー本人がステージに登場! 」(撮影/前田昌宏)
「会場いっぱいに『好きにならずにいられない』が流れ始め…… なんと!なんと! コリー本人がステージに登場! 」(撮影/前田昌宏)

 もう、私のお化粧は涙でぐちゃぐちゃになってしまって……。その後でギター1本を持って駆けつけた長渕剛さんが「乾杯」を歌ってくださったことと一緒に、今思い出してもまるで夢のような夜になったのでした。


 ここまで書いてきたように、コリーは子どもの育児のために第一線を退いたという、大変に珍しいスターだったのです。そして、このほど、4人目の子どもが育ったことを機に、ファンから呼び戻されるようにして、カナダでは信じられないほど華々しくカムバック!! 日本にも7月2日に来てコンサートをやってくれたのですが、この続きはまた次回に。

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湯川れい子 コリー30年ぶり来日公演にファンたちは…

文、写真提供/湯川れい子